オーストラリア在住・日本人ラモーンズ・マニアのスリー・ピース・バンド、Mach Pelican。「次に日本に帰ってきたらマニア話を聞かせてもらわなきゃ・・・」とのんびり構えていたら、なんと!!衝撃の解散宣言。大慌てで取材を申し込み、ラスト・ライヴの数時間前の彼らをキャッチ。ラモーンズを本気で崇拝し、「続ける」姿勢をリスぺクトするも、自分たちは今日バンドを終わらせねばならないセンシティブで複雑な状況の中、3人は最後まで真剣に、そして真摯にラモーンズについてを語ってくれました。短いながらも気持ちのこもったインタビューをお楽しみください。

●ラモーンズとの初めての出会いと最初に聴いたアルバムを教えてください。


── Toshi8-Beat:僕は高校3年の頃で14年ぐらい前ですね。『ロコ・ライヴ』から聴いて、いまだに凄い好き。元々ヘヴィ・メタルが好きだったので、スキッド・ロウが「サイコ・セラピー」を演ってたりしたのを聴いて、そこから入りました。「何でスキッド・ロウがこんな曲のカバーやねん?」ていう。でもムッチャかっこいいんですよ。で、「何やろうこれは?」っていうところからラモーンズっていうのが出てきて、で、聴いたら僕が今まで好きやった音楽の価値観を一気に壊してくれて、もうこれしかない!みたいな。そこからずっと好きなんですよ。

●聴こうかなぁという時、ベスト盤を選びそうなところだけど『ロコ・ライヴ』だったのは何故ですか?

── Toshi-8Beat:『ロコ・ライヴ』はとりあえずジャケがライヴで、裏(ジャケット)の3本ライトとシルエットにやたらそそられて、しかもその時はまだメタルが好きやったから、それが硬派な感じがした。そこからは、もうこれはヤバいということで、『ロケット・トゥ・ロシア』を買って撃沈(笑)。次にファーストを買いました。

●なかなかツウな聴き方ですねぇ(笑)。

── K-Rock:僕は初めて買ったのはたぶん高校1年生の時で『ラモーンズ・マニア』ですね。パンクのコンピレーションでバズコックスとかストラングラーズとかそういうのが入ってたのを買って、その中にラモーンズが1曲入っていて写真とか妙にインパクトがあって、それで『ラモーンズ・マニア』のCDを買いました。93〜94年だったと思います。

●パンク・コンピレーションの中でもラモーンズはいいなぁって感じだったんですか?

── K-Rock:そうですね、その中では飛びきりかっこよかったですね。

●へぇ〜、その前は何を聴いてたんですか?

── K-Rock:う〜ん、UKパンクですかね。あとはブルーハーツとか色んな音を聴いてました。

●メロディアスなヤツでガツンときてエイトビートって感じなんですね。

── Atsu-C.Roll:僕も同世代なんで、セックス・ピストルズやクラッシュとか凄い好きで、DOLL誌か何かのレビューで『エンド・オブ・ザ・センチュリー』のCDかな? 『ロックンロール・ハイスクール』(映画)から切り取ったキャディラックに乗った写真を見て、マッシュルーム・カットのラモーンズを聴いてみようと。でもアルバム『エンド・オブ・ザ・センチュリー』はいまいちパンチ力に欠けるというか・・・初期衝動的なプリミティヴな感じの曲を期待して買ったのに、フィル・スペクターだし。メロディーは凄いよかったけど、こういうバンドなんだとちょっと思って。

●がっかりしましたか?

── Atsu-C.Roll:いや、こういうバンドなんだなって。でもそれからギブ(アップ)する感じではなかった。僕はそれから60年代・・・ザ・フーとか聴いてました。

●ラモーンズに再び戻ってくるきっかけは?

── Atsu-C.Roll:オーストラリアで彼(Toshi)に会って、「ロッカウェイ・ビーチ」のカバーを演りたいねって話になり・・・。

●日本にいた頃から知り合いだったんですか?

── Toshi-8Beat:いや、96年に向こう(オーストラリア)に渡ってから知り合いました。

●出身はそれぞれどこなんですか?

── Atsu-C.Roll:僕は山梨です。

── K-Rock:愛知です。

── Toshi-8Beat:神戸です。

●結成したきっかけはオーストラリアでの出会いですか?

── Toshi-8Beat:そうですね、出会って、みんな日本でバンドやってたんで、楽器も持って来たりしてたから、友達経由で知り合ってじゃあバンドやろうよってなった。隣同士に住んでたりして、家の裏のガレージでみんなでラモーンズや日本のバンドの曲をカバーしたりとか、オリジナルもちょっとやったりして始めました。

●分担はうまくいったんですか?

── Toshi-8Beat:俺はドラムだったんですけど、ギターをやりたくて、初めは実はギターだったんですよ。一人、日本人の女の子のドラムがいて、ギター、ギター、ベース、ドラムで。

── Atsu-C.Roll:俺も日本でやってたバンドはドラムでした。

── Toshi-8Beat:ドラムをやってたらやっぱ前に行きたい(笑)。

── Atsu-C.Roll:結局、最初のドラマーが日本へ帰ることになって3人編成に。

●ラモーンズのライヴを体験したことはありますか?

── Toshi-8Beat:僕だけですね。

── Atsu-C.Roll:僕はちょうど最後の(来日公演)時はオーストラリアですね。

── K-Rock:オーストラリアへ行く前ぐらいだったんですけど行きませんでした。

── Toshi-8Beat:僕は大阪のIMPホール2デイズへ行きました。最初で最後のライヴです。

●印象は?

── Toshi-8Beat:もう死にそうでした(笑)。音の大きさが今までの人生で聴いた中でジェット機と同じぐらいデカくて。自分の人生の中で体験したことのある音圧で一番デカイ音。とりあえずビーンって音が凄かった。で、そこからジョーイとかみんなが出てきて、もう夢心地(笑)。で、あの曲をあの(『ロコ・ライヴ』)順番で、まぁちょっと違かったけど最後まで。でももうホント、合図とかもあんな感じで、『ロコ・ライヴ』をスゲー聴いてたから、ずっとハードコアな感じじゃないですか、ライヴは。

●メタルやハードロックのライヴもいっぱい観ていたんですか? それと比べても?

── Toshi-8Beat:そうですね、観ましたね、スレイヤーとか。あぁ、もう全然。スレイヤーとかなんかよりもっとデカイ。ジョニーのギターの音とか、粒が粗いみたいなダーティーな大きい感じ。スレイヤーは細かい感じにデカイ。インパクトというか、開放弦がジャーンっていうのがデカくて。それが凄い印象的で。とりあえず、ライヴに行ったら革ジャンばっかり(笑)。何でこんな革ジャンばっかりやねん!て。ま、自分も革ジャン着て行ったけどみんな革ジャンで、気持ち悪い(笑)。歩いてたらみんなラモーンT(笑)。強烈で、初め見た時は笑ってたもん。

●でもラモーンズって最初のうちはなぜか笑いも出ちゃう感じみたいな?

── K-Rock:確かに。

── Atsu-C.Roll:最初は『イッツ・アライヴ』を聴いて、ディー・ディーの1-2-3-4!が「1-2-3-4!って言ってないやん!アイアイアイアイ!」って笑ってたけども、聴けば聴くほどリスペクトに変わっていった。

── K-Rock:曲はあんなにシンプルなのにずーっと聴いてても飽きないし、何か素晴らしい。演ってても気持ちいいし。

●話は変わりますが、Mach Pelicanはラモーンズを凄いリスペクトしてるバンドだというイメージがありますが、どうして解散の道をたどるんですか?

── Toshi-8Beat:僕らは仲が悪くなったりとか、相性的にもズレはないし、おそらくこのキャリアの中でもかなりトップにいると思うんすよ。でも、とりあえず何て言うのかなぁ、ラモーンズはかっこいいんやけど、僕は『エンド・オブ・ザ・センチュリー』を観たりとかもして、やっぱり続けることは凄い大切なんだけど、それに対して犠牲にするモノが大き過ぎた時に、そのバランスがどっちを取りたいのかなっていうのを考えて、考えた時に、僕はやっぱりそこまで全部を犠牲に出来ないと決断したんです。

●なるほど。でも継承してほしいなと思いますが。

── Toshi-8Beat:それは凄くやりたいことで、僕らが始めた理由はただ音楽を楽しみたかっただけ。みんなで楽しんでやりたいのに、最終的に犠牲にし過ぎて凄い辛いモノになったら、それは意味がないんじゃないかなと。そこまでしてやる必要はない。それやったら、いま一番良くて、今まで出来ることはかなりやったと思うし、ライヴも800回ぐらいやって世界もツアーして、今凄いいいところまで来たから、とりあえずここで一回終止符を打つと。たぶん再結成とかあるかも知れないですよ。例えば何年か自分らがやりたいことをやってまたやりたいなと思ったら、それはそれでまた集まってやったらええし、それは別に制限も二度とやらんとかそんなんじゃないから。とりあえず第一部、僕らは11年間やってきて来れるとこまではかなり全力でやったんで、一回ここで終ろうと。

── K-Rock:なかなか海外でバンドを続けるっていうのも難しいっていう。

●そこらへんの大変さは計り知れないモノがあると思います。いまの話を聞いていると、ちょっとジョニーのスピリットに近いような。現役に凄いこだわったし、かっこ悪いモノを見せるようになったらおしまいだっていうところもあって。まぁ、もうちょっと肩の力を抜いたらってぐらい頑なな感じでしたけど。でも遠からず、この話はどこかで聞いたことあるなって。似てるところがあるなと思いました。よく解るし、楽しくやってなきゃ面白くないじゃんっていうのはあるし、色々な事情がきっとあるんだなっていうのが納得できます。いま映画『エンド・オブ・ザ・センチュリー』の話が出ましたけど、みんな『ロックンロール・ハイスクール』や『エンド・オブ・ザ・センチュリー』を観てますか? オーストラリアでも観れましたか?

── K-Rock:公開してましたよ。

── Atsu-C.Roll:公開日にオープニングもしたし。

●オープニングって? 何かイべントでもあったんですか?

── Toshi-8Beat:イべントと言うか、映画の公開日に前フリみたいな感じで。

── K-Rock:スクリーンの前にセットしてプレイしました。

── Toshi-8Beat:映画館の人が電話してきて「ラモーンズの映画やから演ってもらいたいんやけど」みたいな感じで「とりあえず、ポスターくれるんやったら演るよ」。

── 全員:(爆笑)。

●現地のバンドではなく、Mach Pelicanに声がかかったのが凄いですね。

── Atsu-C.Roll:オーストラリアはどこへ行ってもラモーンズと言えばMach Pelicanっていうのができているので。

── K-Rock:オーストラリアのブリスベンでラモーナソンって凄いイベントがあって、もう7回ぐらい毎年やってて、僕らも第1回以外は全部出てます。

●凄いなあ。でもって楽しそう。話は戻りますが、『エンド・オブ・ザ・センチュリー』を観た時どうでした?

── Toshi-8Beat:うん、いやー凄いショックやったねぇ。(他の2人もうなずく)。

●ショックの意味は、自分たちが思い描いてたバンドとは違った。こんなことが起きてたのかっていう部分ででしょうか?

── Toshi-8Beat:人間くささというか、やっぱりそうなんだと。まぁ、仲悪いんかなぁとか、最後何十年も話さなかったりとか、ちょっと実は知りたくなかったなぁというのはファンの気持ちとしてはある。でも、バンドマンの気持ちとしては、意味は凄くよく解るから、そこもまた解散の話じゃないんだけど、そういう風になりたくないし。

●それはファンからしてもよく解るし、私は引退は反対だったけど。あの映画が出ることでラモーンズ・ファンの夢をぶっ壊すんじゃないかって思ったし。あの映画が出たのが2004年だから、もうラモーンズはいない。で、ラモーンズ・ファン・クラブって8割が若くてライヴを観たことがないって人達なんです。自分は現役で観てきたから別にもう終わりにしていいやと思ったけど、ファンがいる以上は新しいファンにバンドの良さを伝えたいのに、それでぶっ壊すのは何だかなぁと思っててね。でもジョニーは、あの映画が出ることで、バンドがもっと評価されるようになるんだったら、俺はそれでいいんだみたいな感じ。いつもそうなんだけど、「KKK」があんな事の歌だったっていうのもみんなビックリでショックだって言ってたけど、それをライヴでもラモーンズはよく演ってて、どうして自分のこと歌われてる歌なのに演るの?みたいな。

── Atsu-C.Roll:そうなんですよ、僕も凄い疑問で、そこが。

●「だってファンが一番好きだから演るんだよ」って。自分がどうこうという個人的な問題じゃなく、ファンが好きなんだから演るべきだろうという理由。ジョニーは常にそういうジャッジをするから、「わかりました!」って感じでした。

── Toshi-8Beat:なるほど。でもジョニーがいなかったら本当に絶対に続いてなかったね、ラモーンズは。

●他の2人も映画にはガッカリ? 観なければよかったですか?

── Atsu-C.Roll:もともと事実とかは聞いてたし、『プリーズ・キル・ミー』やモンテ(ラモーンズのツアー・マネージャー)が書いたライヴの裏側(『オン・ザ・ロード・ウィズ・ザ・ラモーンズ』)とか本で読んでましたから。何かマーキーがラスト・ライヴでライヴ終わってそのままピザ食ってホテルへ帰ったって、あぁ、そんなさっぱりした終わり方だったんだとか、ホントに裏側で、あっちの方が生々しかった。でも面白おかしく書いてるからよかっだけど、『エンド・オブ・ザ・センチュリー』は個人的に一番最後のディー・ディーの後ろ姿がちょっと淋しいというかね。

●とりあえず、あの映画は消化した感じですか?

── Atsu-C.Roll:うーん、ひとつの作品として観てたから、アレはアレで全然。

●まぁ、でも何となくかなり心には突き刺さった感じですかね。じゃあ、ジョニーの方針は間違ってんですね。こんなにショックを与えて(笑)。

── Atsu-C.Roll:・・・色んな感情がね。

●ファン・クラブだけに凄いよく解ります。どうしようもないぐらいホントに。『ロックンロール・ハイスクール』はいつ頃、観たんですか?

── Toshi-8Beat:あれはいつだっけ? 一緒にやってからやな。レコード屋にビデオが売ってて買ってきて、みんなで観ました。もう大笑いですよ。

── 全員:(爆笑)。

── Toshi-8Beat:もう大笑いしかない(笑)。

●でもライヴ・シーンは凄いいいでしょう?

── K-Rock:メチャかっこいいですよ!

── Toshi-8Beat:かっこいいですけど、あの登場シーン(歌い始める)やら。

── Atsu-C.Roll:シャワーの中でとか・・・。

── K-Rock:あれ面白かったなぁ。(みんなで同時に発言しまくる(笑))

── Toshi-8Beat:なんやろね、あれはもう最高のロックンロール・ムービー。あるべき姿ですよね。学園モノで爆発で・・・。

── K-Rock:ラモーンズはバンドとして出てるし。

── Toshi-8Beat:あれは名作。

── 全員:うん、名作です。

●ちょっとまた重い話でごめんなさい。ラモーンズのメンバーが3人立て続けに亡くなったというのは、偶然だったと思いますか? ジョーイが最初に亡くなったけど、知った時はどんな感じでしたか?

── Toshi-8Beat:僕はToteっていう自分らがいつもよく演ってるパブに行った時に、店の人が「おい、お前のヒーロー死んだぞ」って言ってきて、「え?」って思ったら新聞を見せられて、ジョーイ・ラモーン死亡の記事で、「えー!!!」みたいな感じでもう、ショックでとりあえず・・・

── Atsu-C.Roll:かなり大きく取り上げられてたね。

── Toshi-8Beat:で、会いたくてももう一生ずっと会えへんねんなぁっていうのがあって、で、その夜ずーっとラモーンズを聴きながら、やっぱ俺ジョーイが一番好きやったから、だから凄い・・・あんなに辛いことはなかったですね。追悼ライヴとかやりましたよ。

●やっぱりラモーンズ・ファンはジョーイの死が一番ショックで、その次ディー・ディー、ジョニーと立て続けに逝きましたけど、過酷なツアーがこんな風に死んじゃうのかとか、ああいう状況下、人間関係の中で精神的な部分と肉体って繋がってるから、そういう部分ではダメージを与えたのかとか。私は最近、例えばCJと会って話しても、もしかしたらこれが最期になるんじゃないかとか、すぐ死んじゃうんじゃないかとか、そういう風に思うようになってしまってるね。何か凄いその時間その時間をちゃんと話さなきゃって思うようになるぐらい、立て続けは衝撃でした。質問はシンプルだけど、偶然なのか必然なのか、どう思いますか?

── Toshi-8Beat:うーん・・・たぶんこれは、偶然ではない。

── Atsu-C.Roll:必然だと思う。

── Toshi-8Beat:たぶん辞めた時点で、何かが全部切れて、やっぱずっとやってると凄い気合いが入ってるじゃないじゃないですか。何十年間もやってましたから。それがプツっと切れて体に伝わって・・・今まで我慢してきたもの、積もってきたものが全部出ちゃったんじゃないですか。

── 全員:うーん。

── Atsu-C.Roll:ディー・ディーなんか特に、もっと早く、80年代に逝っててもおかしくない。あそこまで生きてたのが逆に凄いなって。ジョーイも後半は凄い体型なのをビデオで見てると動きが重そうだったし、今言ったみたいにやり終えた感と安堵感で・・・停年退職した人が急にって話もよくあるじゃないですか。

●なるほどね。ラモーンズってオーストラリアではどのぐらいの大きさのバンドですか?

── Toshi-8Beat:ラモーンズの人気は凄いですよ、オーストラリアでも。今でもラモーンズTシャツ着てる子が。ラモーンズ聴いたことないけど、ラモーンズTシャツが流行るのは向こうでも同じで、でも僕らラモーンズが好きなバンドってことで、観に来てくれるお客さんもやっぱりラモーンズ好きな人が多くて、18・19才の若い子とかもいっぱい来るし、また次の世代までちゃんと行き届いてて、おっちゃんはおっちゃんで40才過ぎた人とかも79年だか80年に初めてオーストラリアに来た時も観たって言うのから、ビッグ・デイ・アウトって大きいフェスティバルにラモーンズが出た時に観たとか、色々。今でもいっぱいラモーンズ・ファンがいますよ。

── K-Rock:昔からラモーンズが好きな人は、ずーっとラモーンズ・ファンなんですよ。例えば、元エクスプローディング・ホワイト・マイスっていうバンドのアンディって人がいるんですけど、彼が凄い熱狂的なファンで、ラモーンズのTシャツを40枚も50枚も全部違う種類で持ってる。そういうのとか見てるとラモーンズ・ファンは熱狂的だなぁと。

── Atsu-C.Roll:その人、ラモーンズのドキュメンタリーDVDとか作ってる。僕らや他のバンドにインタビューしてる。今作ってるんですよ。

── Toshi-8Beat:ラモネッツというバンドをやってる。

●昨年、日本に来てましたね!

── Toshi-8Beat:あのドラムのおっちゃん、大熱狂的ファンで。

── Atsu-C.Roll:(誰でも)フツーにもう知ってるよね。ラモーンズ・カラオケっていうイベントをやった時、僕らが作った曲順を貼り出して、早い者勝ちで歌いたいヤツ出て来いって言えばもう全部曲が埋まる(笑)。

●楽しい!面白いですね、オーストラリア。

── Toshi-8Beat:はい、面白いっすよ(笑)。

── 全員:(笑)。

●ラモーンズ・ファン・クラブだからって意識しなくていいですけど、例えば日本のバンドとか、さっきはへヴィ・メタルとか言ってたけど、ラモーンズ以外でもこういうバンドに影響受けたっていうのはありますか?

── Atsu-C.Roll:僕ら3人ともブルーハーツは凄い大好き。

── Toshi-8Beat:ギターウルフ。

── K-Rock:ティーンジェネレート。あとはクイヤーズとか、スクリーチング・ウィーゼルとかからも影響を受けてる。

── Atsu-C.Roll:ラモーンズからももちろん凄い影響を受けてるけど、ラモーンズ・チルドレンというか、ラモーンズに影響を受けたバンド、ジョニーが言うように第三世代に属するぐらいじゃないですかね、僕らは。

●チルドレンだけど、凄い熱狂的にラモーンズ愛をアピールしているバンドだし、逆にもう影響を与える側にいるのでは? 与えるけど、そういう人たちからも影響をもらっちゃう?

── Atsu-C.Roll:僕らが始めた頃が96年だから、クイヤーズとかがもういたし。今ここにきてやっと一緒にライヴできたりツアーしてるけど。

●だから何となく同レベルにも見えるけど。

── Atsu-C.Roll:そう言われると凄い嬉しい。

●逆に「あいつらよりも俺たちの方が絶対ラモーンズだぜ」みたいな、そういう答えを勝手に想像してたんですけどね。

── Toshi-8Beat:まぁ、ラモーンズなのは僕らがラモーンズですよ。ラモーンズっすよ、僕らは!

── Atsu-C.Roll:一番ね、音に関しては。

── Toshi-8Beat:音的にも、やり方というかステージとかも全部含めて。

── Atsu-C.Roll:一時期、90年代にそういうバンドがいっぱい出てきたじゃないですか、ラモーンズ・スピリットの・・・ハンティントンとか。でもあんまり今続けてるバンドっていないから。それは逆に凄いプライドがあるというか誇りに思っている。

●それが期待してた答えです。きっと言うだろうなって。

── 全員:なるほど(笑)。

●今日は最後のライヴという、とてもセンシティブな日に、しかもラモーンズの話を聴かせてってお願いしていますが。ラモーンズ・ファンの中で、Mach Pelicanは凄くコアな部分にいると思ってるんだけど、そういう意味では終わりっていうのが悲しいかなって。

── Toshi-8Beat:うーん、そうですね。

●自分たちがミュージシャンだという部分で言うと、いい意味で「俺たちこそラモーンズじゃん、俺たちこそラモーンズを継承してるからラモーンズを見たことない人たちは俺たちを見ろよ」って主張していいと思うけど。そういう風に思っていていいと思うし、プライドというか。それで、「俺たちがいなくなったらロクなのいないじゃん」という風には思わないんですか? そういうバンドがいっぱいいてほしいのが既にバンドが存在しないラモーンズ・ファンには嬉しいというのもあると思う。

── Toshi-8Beat;そこは一番辛いとこかも知れないですね。自分らの個人的な理由でファンの人たちの続けてほしいという気持ちを裏切らなければいけないというのが、今回解散の一番・・・。そこでジョニーみたいになれない。その結果は何でかって言ったらさっき言ったことなんで。そこには僕らは行きたくない。何で僕らがバンド始めたかって言うと、こういうことをずっとやろうと思ったんじゃなくて、フツーに楽しみたかったっていうのが一番初めにあったから、それがないんやったらやり続けるのは・・・それですね。すみません。

●たとえば、ラモーンズをバンドで継承してましたが、他の形でも自分たちは何かやろうかなとか思ってますか?

── Toshi-8Beat:他の形・・・。

── Atsu-C.Roll:ファン・クラブを経営するとか?

── 全員:(笑)。

●何だろう?わからないけど、でももったいないと思います。だってバンドやってなかったら、今日みたいに「インタビューさせてください」っていうチャンスも出会いもない。

── K-Rock:他のバンドを始めるかも知れないし。

●そういう可能性もあるわけですね?

── K-Rock:あります。

●了解です。では、ラモーンズの話に戻りますが、メンバーに会ったことはありますか?

── Toshi-8Beat:僕はCJだけかなぁ。マーキーのオーストラリア・ツアーの時に、演ってくれって呼ばれたんですけどね。でも、僕らその時ヨーロッパ・ツアーが決まってて、行く数週間前で。

●へぇー。CJと会った印象は? どこで会ったんですか?

── Toshi-8Beat:22 Jacksというバンドのベースでオーストラリアに来てたんですね。僕らギターウルフと2週間ぐらい日本でツアーをやって、帰ってすぐフェスティバルに出るっていうんで、会場に着いたらCJがいたんですよ。控え室に行ったらアレ?!みたいな。

── Atsu-C.Roll:野外フェスティバルでバックステージに色んな人がいるんですよ。一人向こうから歩いてくる人が、めちゃくちゃオーラがあって、タンクトップで帽子かぶってるんですけど、「すげぇオーラがある人だ、絶対コイツ大物だよ」ってそん時わかんなくて(笑)、そしたらバンドの仲間が「CJがいるよ」て言ってきて「うそー!」って楽屋に行ったらソレだったみたいな(笑)。最初見た時の印象はもう、2メートル50センチぐらいのオーラがあるような(笑)。何かもう人じゃないみたいなね。

── Toshi-8Beat:あの当時はまだ(ラモーンズが)終わってすぐとかで。

── K-Rock:22 Jacksとして演ってるCJのイメージがだいぶ違ったっていう感じ。

●やっぱりマジックっていうのは4人で生まれるモノで一人じゃダメだみたいな感じ? ところでラモーンズのモノで自分にとって宝だというものはありますか?

── Toshi-8Beat:僕はラモーンズのイーグルの入れ墨をここ(肩の後ろあたりを指しながら)に入れてるんですけど、これが一番。これはやっぱりずーっと自分の心の中に、もう一生ずっと好きだっていう。

── K-Rock:えーと、『イッツ・アライヴ』のレコードですね。大好きなアルバムなんで。『ロコ・ライヴ』より好きです。『イッツ・アライヴ』の方がしっくりくる。

── Toshi-8Beat:後半にかけるテンションが凄いね、ガーっと。

── Atsu-C.Roll:持ってるモノ全部が宝物ですけど、でもずっと使ってる白いPベースにCJに初めて会った時にサインを貰って。もう消えかけてるけど(笑)。僕もずっと使ってたベースだし、一番の宝物ですね。

●CJと一緒に写ってる写真がMach Pelicanのサイトに載ってますけど、アレ、凄い嬉しそうだなぁって思いました。

── K-Rock:そりゃー嬉しかったですよ。予想だにしないところで会えて。

── Atsu-C.Roll:嬉しかったよねぇ。

●ところでトミーがプロデュースしたミュージカルがオーストラリアでやってましたけど?

── Atsu-C.Roll:トミーが来てたって噂は聞いたけど観てないですね。

●昨日のライヴでも「KKK」とかカバーしてましたが、毎回ラモーンズ・ソングを演ってるんですか?

── Toshi-8Beat:毎回じゃないですけど、ほぼやるかなぁ、アンコールで。

●ずばり、好きなアルバムと曲を1曲と言えば?

── 全員:・・・難しいなぁ。

●じゃあ好きなアルバム3枚でもいいです。

── Toshi-8Beat:ホントに難しい・・・。

── K-Rock:時期によって変わりますからねぇ。

●じゃあ、今日の気分で。これからラスト・ライヴに臨む皆さんの今の心境で。

── Atsu-C.Roll:うーん、僕はじゃあ、今の気分は、『ウィ・アー・アウタ・ヒア』の「ラヴ・キルズ」。ディー・ディーの入り間違いから始まって、マーキーが翻弄されてるんですよ。でもジョニーとCJはちゃんとがっちりフォローしてる。でも、ディー・ディーは2番目の歌詞も間違える。3番目でファックド・アップ。で、そこで言った「ウィ・アー・アウタ・ヒア」をタイトルにする、と。

●何か文句言ってましたからね(笑)。

── Atsu-C.Roll:最高。

── K-Rock:何かなぁ、決めかねるなぁ。

── Toshi-8Beat:あ、あのー、アルバムの中では『ロケット・トゥ・ロシア』が一番好きですね。もうこれは譲れない。曲も曲順もいいしジャケもいいし漫画もいいし歌詞カードも全部含めてあれが完璧だな、と。ああいうアルバムを一番作りたい。タイトルもいい。あの時期に『ロケット・トゥ・ロシア』ですからね。曲はちょっと選べへんなぁ。あ、「ライフ・イズ・ア・ガス」!

●今日の日にぴったりな感じですね。

── Toshi-8Beat;僕の今の気持ちは「ライフ・イズ・ア・ガス」。

●そうか・・・よく解る。

── K-Rock:僕は「アイ・ウォナ・リヴ」。

●何かみんな人生を悟ってるような選曲ですね(笑)。

── Toshi-8Beat:どうなんやろう(笑)。

── K-Rock:サビのアイ・ウォナ・リ〜ヴ♪ってコブシのきいた感じが凄い好きですね。

●ラモーンズの中で確かにあれはファーストからガーってきた時に一番この「アイ・ウォナ・リヴ」って感じをホントに出してるよね。映像も気持ち的にも。シンナー吸ってどうのこうのっていうのとワケが違うし。

── Atsu-C.Roll:誰かがドリンクに何か入れたとかね(笑)。

●(笑)。その日によって違うのはそれはそれで解るし、今日はそういう日だなっていう感じは凄い受けます。こんな大事な日に取材を申し込んじゃってすみません。では最後の質問です。ラモーンズがいなかったら、人生変わってましたか?

── K-Rock:それは変わってますね。

── Toshi-8Beat:ラモーンズがいなかったら、俺の人生ホンットに面白くないと思う。たぶんぜんぜん面白くない人生を送って、ちっちゃいことで喜んで終わって。いやぁ、もうあり得ないね。

── K-Rock:ラモーンズを通じて会った人って凄い多くて、やっぱりラモーンズみたいなライヴ・スタイルでがんがんライヴをやってきたのはラモーンズがいたおかげ。

── Toshi-8Beat:ラモーンズなしではね。

── Atsu-C.Roll:間違いなく。変な言い方だけど宗教的な感じもありませんか。

●あるし、凄く解る、それ。それはたぶんラモーンズに心を揺さぶられるからかな、きっと。音も楽しいし。音だって心を揺さぶられるじゃないですか。

── Atsu-C.Roll:キリスト教の人たちが十字を切るじゃないですか。僕は無宗教なんですけど、何かラモーンズの信念に基づいてとかって十字切れそうな。

●(爆笑)ファン・クラブも布教活動って言われてますからねぇ。

── 全員:(爆笑)。

●今日は最後のライヴ前という大事な時に、時間を作ってくれてありがとうございました!

★★

■■■ Mach Pelican are ■■■
K-Rock: Guitar&Lead Vocals, Atsu-C.Roll: Bass&Vocals and Toshi-8Beat: Drums&Vocals.
...All the best!!!

インタビュー / FCスタッフ: カイチョー・ユキ&atsuko katagiri
取材場所 / 東京・渋谷クロスタワーにて (2007年9月17日)
写真 / Yuki Kuroyanagi, ★=Courtesy Mach Pelican


テキスト及び写真 : 畔柳ユキ / Ramones Fan Club Japan (c)RAMONES FAN CLUB JAPAN
ALL TEXT & Photos by (c)yuki kuroyanagi & (c)RAMONES FAN CLUB JAPAN

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