2012年は、ラモーンズ・ファンにとって、こんなに充実した1年はなかったはず。FCのイベントでも司会やDJと、ラモーンズ・ファンの目線で抜群のマニアっぷりを発揮してくれるお馴染みのKatchin'(カッチン)が、マイカーに自分のコレクションを積んで日本各地を周り、ラモーンズ・ファンに貴重なコレクションを公開した。 このRAMONES MANIAのコーナーのトップの写真がExhibitionです。世界中のラモーンズ・ファン、ロック・ファンが羨むお宝が日本にある。MANIAインタビューVol.1で「いつかコレクションの展示を」という話を漠然としていた事は、6年後に実現した。そんな夢がまた現実になるようにと、今回2度目のインタビューを決行。2012年を振り返りつつ、次の夢を語ってもらいました。


Y(ユキ会長):さっそくですが、2012年は各地で「RAMONES EXIBISION」を開催したわけだけど、どうでしたか? 疲れた?


K(カッチン):いや。終わった直後に疲れただけで、1年通してやったらあっという間でしたね。意外と「まだやれるんじゃねえかな」と思ったんすけど、あんまりだらだらやってるのもラモーンズっぽくないかなって思って、区切りつけたっつーか。「50歳でロックンロールじゃねえだろ」って言ってたじゃないすか。なら1年間てことで区切りをつけたほうが逆に次のこともやりやすいかなと思って1年で止めました。

Y:1回目と最後じゃ違うかもしれないけど、やってみてよかったと思えたのはどんな時?

K:お客さんがいっぱい来た時もそうだけど、みんなすげえ楽しそうにしているのを見たときに、やってよかったなっていうのが一番ありますね。若い人たちが来てくれた時には「あ、興味あるんだな」って実感もあった。子供と家族で来てくれた人もいて、それぞれの年代でみんな楽しんでくれたのが一番よかった。あんなもんで楽しんでもらえたんだなって。

Y:みんなに見せたいという思いでスタートした?

K:こんな事をやってるヤツがいないからやってみようっていうのがあったんで。他のヤツがやった後だったら、たぶんやらなかったと思うんですよね。

Y:今日のインタビューはvol.2で2回目なんだけど、vol.1の時に私が「コレクションやギャラリー展をやれ」とけしかけて言ったことがその通り現実になった。私はまずはfacebookでみんなにコレクションを見せてくれれば私も楽しいからいいなと思って言ったんだ。カッチンが「パンクスなんてタチ悪いから、パクったり、汚されたり、大事なコレクションを持ち出して他人にいじられたくない」って言ってたしそれはそう思うし、だったらネット上ならありかなと。そして、それをやったことでドイツのラモーンズ・ミュージアムとか、アルゼンチンのコアな連中とか世界中のラモーンズ・ファンの間で話題になって…だったら実際に飾っちゃおうかなって感じ?

K:実際、facebookを見て原宿のKitギャラリーのオーナーのチャーベに「これはギャラリーでやったら面白いんじゃないの」って言われたんすよ。Kitギャラリーだったら一緒に管理も出来る。自分が朝から居られるし、店の鍵も自分で持っていられたんで。そういうのがあったから、全部自分の責任において出来るなって思ったのが出来たきっかけというか。ツアーも結局、自分で持ってって自分でセッティングして自分がずっと終わりまでいるから、それがよかったんじゃないすかね。

Y:ツアーの1回目はどこ?

K:大阪の心斎橋ですね。その次金沢、仙台。金沢も友達の洋服屋でやった。

Y:DIYネットワークだね。

K:そうですね。あと群馬にも行った。宮崎も。広島行った時も結構しんどかった。車で10時間かけて走破したんですよ。行きは1人で運転して。広島ってことは、もうちょっと頑張れば九州じゃん!って思って、福岡まで行けんじゃねえのかと思えてきて。結構簡単に行けるなって考えてたんですよ。でもやったら行きはかなりしんどかったです(笑)。

  

Y:ドライバー他にいなかったの(笑)?


K:いたんですけど、行きは自分でどうにかしたかった。

Y:自分で達成感味わおうみたいな?

K:そうそう。着いた瞬間に終わり、みたいな(笑)。

Y:なんか今日いつもと違うカッチンがいるなあ(笑)。

K:でも、運転してもう駄目かなぁと思って、関門海峡のパーキング行って「やべぇ九州すぐそこじゃん!」みたいになって、ちょっと上がって持ち直すみたいな(笑)。

Y:車内の応援部隊たちはモチベーション上げるような言葉をくれたりしなかったの?

K:なんもないっす。サポーターのザイテツはガン寝してるし。

Y:一度パーキングに置いてっちゃった方がいいな、あいつ(笑)。

K:ほんとっすよ。でもパーキングでも降りて来ないんですもん、寝てるから。

Y:さすが。乗ってるだけか。1人で長距離ドライヴはつらいよ。

K:うん。

Y : このツアー、もうちょっと道なりに、ツアーぽい流れで組めればって感じだね。東京、名古屋、大阪という流れでいければ。

K:いや、この企画、週末しか出来ないから。滞在出来ないんですよ。

Y:ああ、そうかぁ。

K:ツアーも一応金土日なんだけど、金曜日ってやっぱ客が一番入んないから。一応まだぎりぎり平日じゃないですか昼間は。でもその3日間であればどうにかなるんじゃないかなって。

Y:さっき言ってた「パンクスなんて危ねぇ」って言ってたのがクリアになったとはいえ、自分の宝物を並べるわけで汚されたら嫌だなぁとは思わなかった?

K:もう原宿でやってからは、そういうの一切思ってないですね。

Y:ふっきれた(笑)?

K:はい。1回やっちゃえばもう。やる前に一歩踏み出すのは何事も大変じゃないですか。一歩出ちゃえば結構ワァーっと行けますね。

Y:ガラス割れちゃったりとか、そういうのないの?アクシデントは。

K:ああ、ありましたね。原宿の時に1個だけ、俺が一番最初に買ったポスター、ディッキーズと対バンのフィルモア・イーストでやったときのポスターがあって…。結構有名なポスターで、当時のサイケデリックのデザインそのまんまで、ラモーンズとディッキーズに変えてるっていうやつがあって。

Y:シルクスクリーンのやつだよね。

K:たぶんそうですね。それをkitギャラリーのドアに掛けてたら、俺がちょっといない間にヘルプの子がドアをバンって閉めたら落っこって。それだけガラスで作ってたんです。あとのやつは全部プラスティックみたいなやつなんだけど。

Y:落ちて・・・ポスターは?

K:ポスターは全然平気です。ガラスが割れただけ。ああ、そうだこれガラスで作ってたんだと思い出したというか。

Y : どれが一番反応良かったとかある?

K:やっぱりミート・ザ・ラモーンズとチャールズ・マンソンのTシャツですね。どのくらいの物なのかっていうのを知らなくても来てくれる人たちがいて、ちょっと近づいてって「これはね」って言ってしゃべると、みんな超ビビるみたいな(笑)。「ええーっ!」つって。

Y:それ内容にビビってるのか、カッチンにビビってんのか(笑)。

K:いや、「そんな凄いものが何故ここにあるんですか?」って。

Y:ああ、そういうことなの? あるから来てるんじゃないのか。少しへええだなあ。

K:なんかそういうびっくりするのが一番多かったな。逆にこういことで、「ああもうこれは、個人的な物で済まねぇんだな」と思った。改めて自分が持ってるコレクションに対して、なんか大変な物を持ってるなと思えてきた。それをまた家にしまっておくのは本当にもったいないと思ったんで、その次の目標みたいなのが出てきたんですよね。


Y:目標ってダイナーのことか?


K:はい(笑)。

Y:ラモーンズ・ダイナー作って、またちゃんと見せようと?

K:なんかラモーンズ展みたいなのが年中やってる場所があったらなって思ったのと、それやるのにもこれだけだとやっぱり経営苦しそうじゃないすか。

Y:うん、苦しそう(笑)。でも、やる前から言ったらダメだ。頑張ってよ。

K:だからベルリンのラモーンズ・ミュージアムと同じようにカフェとかちっちゃいステージとかがあって、ダイナーでちょっとアメリカっぽいものが食えれば。美味しいもん出して、それでギャラリーを維持出来ればいいかなと思って。

Y:この構想&妄想を今がっつり語ってもらい、6年後のVol.3のインタビューの時に「ダイナーやりたいって言ってたもんね」ってインタビューをそのダイナーでしてるという流れになるといいね。

K:また6年かかっちゃうんだ(笑)。俺出来ればもっと早くダイナーやりたいんだけどなぁ。

Y: みんなの居心地のいい場所を作るためにスポンサー募集ならアリじゃん? CJのPledge Musicみたいにカッチンに投資しろって言うの。どう?

K:なんでもやってみるしかないかなぁ。

Y:やってみなよー面白いから(笑)。ああいうのないのかな? スポンサー、ウエルカム・サイト。

K:どうしたらいいんすかね?俺もそれこそビジネスっていう考えがないっていうか、やったことないし。ダイナー兼ミュージアムが出来るんであれば、それはビジネスにするしかないと思うんですよ。だから俺も飲食のことも全然わからないから、まず原宿の先輩たちに相談しに行って。俺こういうのやりたいんですよってダイナーの計画言ったら、それ面白そうだなって言ってくれて。よしじゃあとりあえずは俺もなんもわかんねえから、後輩がすぐ近くでカレー屋をやってるから、まずそこに行こうってなって、連絡もしないでいきなり行って、ヒカルさんが「おい、お前この店いくらで作ったんだ」って(笑)。ここ何坪で、何百万くらいすかねって話をして、冷蔵庫とかの大物はリースですけどとかいろんなこと教えてくれて。とりあえずは、店やるのに食品衛生責任者の資格がないと駄目だからって、ってそういうのを取ろうって即行で調べたら1ヶ月待ちになってた。結構すぐいけるもんじゃねえんだって。宮崎から帰ったらすぐ行こうって予約した。宮崎から帰った日を予約してたんで1日講習受けて、取ってきました。

Y:たった1日講習行けば取れるの?どんな講習受けたの?

K:あんまり覚えてないっすよ(笑)。基本的なことです。「綺麗にしろ」とか。アルコールの除菌がどうのこうのとか。あたりまえじゃん?てこと。で、その人がひとりいれば店が出来るから、じゃあまず俺が行かなきゃと、自分が出来るのそれからか、みたいな。

Y:でも何もやらないよりはいいよ。

K:その管理責任者の資格を取りに行ったっていうネタが、俺のfacebook史上「イイネ」が一番つきましたから(笑)。

Y:期待されてるんだ(笑)。

K:マンソンTeeよりつきましたもん「イイネ」(笑)。

Y:その夢の構想でいくと場所はまずどのへんなの?

K:下北沢ですね。マクドナルドの方の出口の方がよくって、あのごちゃごちゃしたメインストリートじゃなくって外れとか、ユニオンの方とか、あとガーデンの周りとかの路面店で、ちょこっと軽いステージがあって。俺の頭の中でもうデザインがあるんです。あとはそれを書けばいいっていう。基本はダイナーでボックス席みたいなのがあって、ちょっと明るい50'sの内装で、床張りで。床張りって掃除するのが大変らしいけど、ちょっと近所の奥さんと子供も来れるぐらいな内装にして、壁に掛ってるのはラモーンズのポスター、各テーブルがガラス張りになってて、そこに小物のコレクションが見れたりとか。

Y:スポーツバーみたいだね。

K:ああ、そうかもしれないです。日曜日とかに知り合いのバンドに無理やりアコギでラモーンズを弾かしてちょっとしたパーティやイベントやったり。で、その日は入場料ちょっとだけ取らせて簡単なイベントも出来て。で、実はシナロケの鮎川さんとシーナさん下北だから「ちょっと来てください」って言ってみたり(笑)。意外と梅ヶ丘近辺に俺らの同世代のバンドいっぱいいたりするから(笑)。それで俺もたまにDJを自分でやったりとか、知り合い呼んだりとか出来て。俺、やりたいと思ったのが、結婚式の二次会をそこで出来るようにしたいというのがあって。だからそのちっこいステージってのは実はステージでありながら新郎新婦が乗っかる台でもあったり。それで二次会の貸衣装があるんすよ、俺のダイナーには(笑)。ショットのライダースの白!公式バージョン。で、USAバッジをちゃんと付けようかと。それを二次会やってくれた新郎新婦に貸す、っていう。俺の知り合いのバンド・マックショウの岩川くんの奥さんがアメリカのケーキ作ってるんですよ。ボウルルームっていうお店なんですけど。そこのケーキを発注してイーグルのケーキ作ったり出来ますよ、とか。

Y:えらい具体的じゃん。じゃあ私、結婚式の写真撮るよ(笑)ラモーンズ撮った人だって言われながらさ。USバッジ付けて。

K:ユキさんが撮ってくれるんだ !? (笑)。アー写撮ってほしいゴミみたいなバンドもたくさんいるのに結婚式の(笑)。まぁそういう構想があるんですよ。あと、ダイナーだからハンバーガーとかステーキとかもアメリカっぽいのあるじゃないですか。でも食い物の修業は俺はたぶん無理だから、東京とか有名なダイナーやってるとこに話にいって「ウチに援助してくれないか」と。「お宅の味ちょっとだけ頂戴」みたいな。そういう知り合いも実はいるんですよ。まだ話してもいないからここで名前は出せないけど(笑)。すっごい人気のあるバーガー屋があるんですけど、そこの人と知り合いなんで、「俺ラモーンズのダイナーやるんでハンバーガーをやってもらえないかなー」って(笑)。

Y : 構想と妄想が暴走中(笑)。

K:まだまだあるんですよ、ダイナー構想(笑)。路面店だから、テイクアウトっぽい小窓があるんですけど、そこはチャーベのジェラード屋を出店するんです。チャーベ、ジェラード屋やりたいって言ってたから。

Y:(爆笑)チャーベ君、もう店員構想(笑)。

K:丁度いいやと(笑)。イタリアンジェラード、マーキーやってるじゃないすか。これいけんじゃねえかなと。

Y:やってる、やってる、イタリアで。「マーキー・ラモーンのジェラード・カー」って車走らせてるよ(笑)。

K:あとマーキーのパスタソースの輸入元にもなりたいんですよ。このダイナーがゆくゆく会社になれば。代理店みたいなことになって、少なくてもてめぇのところで出す分と、ネットで通販が出来たりとか。あとラモーンズが飲んでたYOOHOOドリンクも輸入したい。

Y:なんかワクワクしてきた(笑)。ダイナー行けばYOOHOOドリンクも飲めるんだな。

K:マーキーのパスタとYOOHOOドリンクが、俺のダイナーに来れば普通に飲める!

Y:美味いんだか、マズいんだかよくわかんないな(笑)。

K:そういう問題じゃないから(笑)。これに限っては。

Y:でも美味しくないとさぁ。

K:他の物は全部、美味しいんすよ(笑)。

Y:ホントに? で、ピザはないの? マンジズかなんかの知り合いにいないの? イタリアの本格ピザ屋。

K:俺が考えてるのはやっぱりアメリカだからニューヨークでめっちゃでっかい切れ端のあれを出したいんですよ。

Y:また。オブジェで壁にディー・ディーの投げたピザがくっついてるのはどう? ていうか、もうすごい具体的な構想練ってるじゃん(笑)。

K:だからちょっと心当たりのある料理人には「お前今仕事なにやってんの?」てなことを一応聞いてるんすよ。俺こんなこと考えてるんだよなぁ〜って言ったら「あ、出来たら働きたいっす」みたいなこと言ってくれたりして(笑)。

Y:給料払えないけど、みたいな?(笑)。

K:いや、ウェイトレスもにわかに働かせてくださいって言うやつがいるんで。そこで俺を含めて3〜4人くらいで回せればいいかなと。

Y:そこにチャーベ君も入ってるんでしょう(笑)?

K:チャーベは入ってないですよ。チャーベはジェラード名前貸しだから。

Y:また、リアルな(笑) なんか下北だし、流行ってすぐに2店舗目とか出しちゃってそう。あ、でもラモーンズのコレクションを飾ってあるから足りないか? ここにしかないものだから2軒目作るのが不可能かな?

K:ミート・ザ・ラモーンズは一個しかないですからね。

Y:そりゃそうだ。だから価値があるんだもん。ん? …私に出せって言ってるの?

K:そうですよ ! !

Y:あぁ、わかったよ、出すよ出すよ。でも現実、ネットワークなんてそんなもんだから、動けばネットワークが広がるんじゃない?

K:金さえあればもう始められるんすよ。実は。

Y:だねぇ(笑)。

K:1500万円から2000万円くらい欲しいんですよ。

Y:欲しいんですよって言われてもねぇ(笑)。自分のコレクション売ったら少しは金になるんじゃないの?

K:それじゃ本末転倒で意味ないじゃないすか。下北沢高いらしいっす。いわゆる原宿のkitギャラリーあたりあるじゃないすか、あの辺の家賃と下北の家賃て同じくらいらしいですよ。だから結構高いみたい。でも路面じゃないと絶対嫌なんですよ。こういうガラスで。俺もうギャラリーの名前決めてるんですよもう。

Y:え? 店名決まってんの?

K:「ディーディーズ・ダイナー」って言うんですよ。ジョニーズって100万件くらいありそうじゃないですか。だからDee Dee。全部Dなんですよ。良くないすか。

Y:うん、いい。すぐTシャツ作れそう。

K:そういうロゴをガラスに出したいんですよ。一応ガラスも2枚張って防音用にしてイベントも出来るように。一応一回スタジオ作ったから自分とこに。

Y:ああ、そうだよ。カッチン家のスタジオ、DIYでかっこいいもんね。

K:いや、自分は塗っただけ(笑)。意外とちょっとだけ気にすれば防音つうのも成り立つから。周りの人に怒られないでちょっとパーティ出来るところ作りたいんです。あと実は俺マーチャンも考えてんすよ。ディーディーズの。

Y:マーチャンは考えてるなとは思ったよ。


K:皿とかも全部作る。

Y:ロゴ入りの皿? 盗まれるぞ。食べかす拭いて持ち帰るね、みんな。でもさ、コレクターズショップにするのはそうだけど、でも2号店もやろうと思えば全然作れるよね。コレクションじゃなくても。

K:まぁそうですね。2号店作るんだったら写真を中心にします。

Y:また私か? ところで昨年はいろいろやったけど、ファン・クラブも絡んだり、アクティブな活動してラモーンズ・ファンにとっては凄い1年だったね。バンド存在しないのにさ(笑)。

K:ファン・クラブのイベントでマンジズと知り合って、今でもfacebookで連絡きますよ。ポスタートレードしてくれってすんげえ言われてます(笑)。

Y:それ狙われてるよ。

K:「日本のポスター欲しいんだけど、何かと交換してくれ」ってすっごい言われてる。でも俺日本のポスターダブりないからつって。外国のほうがダブり多いんですよ。

Y:大貫さん家に行ってもらってくれば(笑)。

K:ああそうだ(笑)。

Y:地方で逆にお客さんから手に入らないようなコレクション、タダで貰ってたよね?

K:大阪のDJだった中村さんから、日本のラストツアーのライブのフライヤーと大阪の最後の公演のセットリスト。ファン・クラブ会員の渡辺さんからニューヨークとフランスのフライヤー、全部ボンとくれたので貰ったり(笑)。宮崎で植村さんからレディオアクティブ時代・後期のプレスキッドをたくさん(笑)。あと、来日の時の隠し撮り写真(笑)。

Y:コレクション集めのエキシビジョンだったね(笑)。あと、名古屋の女の子からもなんか貰ってたよね。

K:ラモーンズとダムドが対バンしたときのやつじゃないかっていう、疑惑のバックステージパス(笑)。

Y:バックステージパス貰ったの? 私それ見てないや。彼女、中野ムーンステップにも来てくれて、あの時もなんか貰ってたよね? デザイナーのアートゥロ・ヴェガの家でかっさらってきた・・・

K:ジョーイのバースディバッシュのフライヤーの失敗したバージョン。正規バージョンと失敗したバージョン。

Y:結構なお宝じゃないですか。

K:あと、名古屋で開催した洋服屋さんから、95年のホワイトゾンビとツアーした時のシルクスクリーン。もともとあっちで買い付けを昔やってて、会社に余ってたやつらしいっす。

Y:へー。余ってんだ、こういうのが。

K:そうみたいですね。やっぱり売れなかったんだ当時は、ってかんじですよね。売り物で買い付けたらしいです。さすがラモーンズ売れ残るみたいな時代。普通コレクターって、2個とか3個持っててトレード用にしたりしてるじゃないですか。要は常にみつけてストックしといて交換する、みたいな。でも俺全然そういうかんじじゃないんですよね。俺のコレクターなんてまじで後づけなんで。

Y:でもいいタイミングだったと思うよ。当時はそんな高くなかったじゃん?今のほうがとんでもないことになりそうじゃないマンソンTシャツなんて。それを思うとなんでこれがここにある?ってことになるよねぇ!

K:それは俺が昔からラモーンズが好きだったっつーだけなんすよ。

Y:まぁそうね。でもさ、今の子達、ファン・クラブの子達、8割は新人で知らないから「なんでここにある」体験は、いいんじゃないかと思う。

K:だからそうゆう値段の意味でのタイミングだったら、99とか2000年までに出てきた物だからミート・ザ・ラモーンズもマンソンも。だから解散してるラモーンズみたいなバンドなんてもっと興味無いわけじゃないですか。アメリカ人とかにしてみれば。そういう意味で敵は少なかったはずです。

Y:敵ってゆうか、競り合ってた奴ら身内じゃん(笑)。それでeBayのオークションが無くなっていったのって、ジョーイが死んでっていう、権利関係があやふやにちょっとなって、ビジネスマン達が出始めてからワサワサ言われるようになって止まってきちゃったじゃない。偽物も出るから?

K:ジョーイが死んでから、オークションの中身がだいぶ変わってきたっていうか。変な偽物みたいなのが出たり、値段がちょっと上がったりとか。それで今まではラモーンズのオークションのページは10ページくらいしかなかったんですよ。10回クリックしたら終わっちゃう。で、それが4〜5倍とかに増えたんですよ。ほんとしょうもない偽物ぽい物ばっか載ってて。俺もそういうの見てて、こいつらに金払うの嫌だなと思って、ジョーイが死んだのを最後にもうやめたんですよ。

Y:最近見たことある?

K:ないっす。でも俺の友達がちょこちょこロックのポスター買ってたりするんですけど、俺が持ってるやつとかも結構売ってるみたいですね。あのイタリアのライブポスターとか。クリーブランドのミイラの絵のやつとか。

Y:じゃあ今年の抱負を聞かせてもらおうかな。今年何するの私たち?(笑)。2012年にイベント10本もやっちゃって。しかしカッチンのダイナー構想は叶わないことない感じする。いい物件やタイミングがあれば出来そう。いい目標だと思うよ。お店の勉強しないとね。

K:基本的には、この店では俺はただの「ラモーンズおじさん」みたいなもんなんですよ。なんかちょっと料理運んだりとか、人雇ったら金かかるじゃないすか、だからお昼とかの忙しいときだけ行くみたいな。で、夜たまに行って講釈してるみたいな(笑)。そういうかんじで基本的にはちゃんと料理人がいてウェイトレスなりバーテンがいて、みたいなことで。俺はなんかちょいちょいいるらしいよ、みたいな。

Y:ファン・クラブのイベント、次はどこでやればいいと思う?

K:渋谷HOMEはどうですか?

Y:渋谷HOMEのCJの公演は音も凄くよかった。イベントは、トークショウやアメリカ墓参りの旅をやって欲しいというリクエストもあるよ。私がアメリカに旅行に行くとき個人的でもいいから、墓参りだけ一緒についてっちゃダメかというメールも来るし。だったら5人か10人集まるならいいかなと。私96年に25人をアルゼンチンまで連れてったから。だから全然やれるっちゃやれるんだけど。

K:アルゼンチンは大変そうだけど、アメリカだったら簡単そう。

Y:NYは行くまでがもう面倒だと思っちゃうけど、行くところはまだまだ満載。クイーンズも行って、ハイスクールも行って、コニーアイランドも行って、CBGBの跡地見て、そこから1分もしないところにヴェガの家があるからピンポン・ダッシュして(笑)。ジョーイの住んでたアパートと墓参りもして、あとUSバッジとか、ジョニーが一番初めにギターを買った店とかまだあるからそこも行く。あとピザ食べて…。楽しそうでしょ? このツアー。これは本当にやろうと思ってる。今年じゃないけれど。

K:俺も行ってみてぇなぁ。

Y : カッチンの飛行機代はダイナーの資金だな。でも今年もおもしろいこと計画していきましょ。

★★

インタビュー / yuki kuroyanagi / Ramones Fan Club Japan
取材場所 / 東京世田谷のカフェにて
協力 : アート・ワーク・YARBO RAMONE (東京ラモーンズ)、スタッフ・ミレちゃん(撮影その他)


テキスト及び写真 : 畔柳ユキ / Ramones Fan Club Japan (c)RAMONES FAN CLUB JAPAN
ALL TEXT by (c)yuki kuroyanagi & (c)RAMONES FAN CLUB JAPAN
some photos by Staff.

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