今回のマニアは、韓国の若手スリー・ピース・バンド、GARAXY EXPRESS。日本ではK-POPがメディアをにぎわせているが、お隣韓国のロック事情は、“ようやく”ロックもメジャーになりつつある…という状況。RAMONES好きのパンク・ファンが存在するのかも危ぶまれていたそんなシーンにも、いました!!!! 暴走パフォーマンスでソウルのフェスでもひっぱりだこの彼らは、本業の合間にCOMEONSという(ラモーンズの)カバー・バンドに扮してプレイしていた。SUMMER SONICのアジア・ステージ出演のために来日していた彼らとの会話からは、日本と韓国のロック事情の違いの大きさに驚かされつつも、HEY HO LETS GO!で楽しみたいのは世界中みな同じというのも感じられた1時間でした。
Thanks for the valuable story of rock in Korea. We are looking forward to COMEONS Japan Tour!

●アンニョンハセヨー。さっそくだけど、まずはサマーソニックに出演した感想を教えて。


パク・ジョンヒョン(G/Vo.以下ジョンヒョン):サマーソニックは、とにかく人が本当に多くてびっくりしました。 僕たちが出演したアジア・ステージにはお客さんは少ししかいなかったけど(苦笑)。

●私はマリン・スタジアムで仕事をしていて見れてないんだけど、君たちの出演時間はBEADY EYEとかぶる時間だったしね。

イ・ジュヒョン(b/以下ジュヒョン):でもそれはいいんだ。僕たちは楽しかったし大丈夫です。

●あなた達のライブは韓国で見たことがあるけれど、パフォーマンスは最高だったよ。

ジュヒョン:(うなずきながら)うん。でもサマーソニックも楽しかったです。

●サマーソニックではどのバンドを見たの?

ジョンヒョン:X-JAPAN(笑)

●え? そこ?

キム・ヒグォン(Ds/以下ヒグォン):僕は少女時代(笑)

●なんで少女時代なの(笑)。自分の国でいつでも見られるじゃない。じゃあ、今回のベスト・ライブを3つずつあげてみて。

ヒグォン:でも少女時代、今回始めて見たんですよぉ(笑)。

ジョンヒョン:僕も始めて見た。15分くらい遅れてスタートしたり、あんまり面白くなかった。僕は3つくらいしか見れなかったけど、マーズ・ヴォルタがすごく見たかったので、行ったけど、新曲ばかりであんまり面白くなかったなぁ。

●マーズ・ヴォルタは韓国でリリースしてるの?

ジョンヒョン:してないです。

ジュヒョン:韓国ではこのあたりのインディーズの人気はまったくないですよ。

●マーズ・ボルタの前のAT THE DRIVE INもリリースしてないよね?

ジョンヒョン:もちろん、してないです。

●他には何を見たの?

全員:レッド・ホット・チリペッパーズ。

ジュヒョン:パブリック・イメージ・リミッテッド。

●じゃあ、レッチリを見て、すぐにPILを見に行ったんだ?

ジュヒョン:終わって速攻走ってきましたよ。

ヒグォン:僕もKORNのオープニングだけ見ました。

ジョンヒョン:僕もKORN。韓国は日本みたいにあまりバンドが来ないので初めて見れました。

ジュヒョン:僕はフェスそのものをあちこち見て歩き回った。日本のバンドも見たり食べ物屋さんやブースを見たりバンド以外の方も沢山見て楽しかったなぁ。

●では、カモーンズの話題に行きます。ラモーンズFCのインタビューだけど、気を遣っていいこと言わないで正直にね。では自己紹介。

ジョンヒョン:はい。みんな嘘はダメだぞ(笑)。

ジュヒョン:まずこいつ(Vo)の名前はチェリー・カモーン。チェリー・ボーイだから(笑)

●チェリー・ボーイなの?(笑) 意味わかってる? ま、いいや、それで?

ジュヒョン:(ドラムは)ヤング・カモーンで僕はチョチョ・カモーンという名前でやってます。

●私のことになっちゃうけれど、10年前に仕事でソウルに行ったときに、FCスタッフのお土産にハングルのラモーンズのCDを探してたのね。でも韓国にはパンクのCDが1枚もなくて、ラモーンズ・ファンはいないどころか、ラモーンズの存在すら知られていないことがわかったのよ。だから、あなた達の存在にはびっくりしたんだけど、どうやってラモーンズを知ったの?

ジョンヒョン:僕はギャラクシー・エクスプレスをやる前に最初にやり始めたのが、ラモーンズのコピー・バンド。だから最初からラモーンズ好き。このコピー・バンドのベーシストは日本人でした。

●ミュージシャン? その日本人に教えてもらったの?

ジョンヒョン:いや違う。韓国で働いてた「こうの」君という奴。でも彼から教えてもらったわけじゃないんだ。

ジュヒョン:ラモーンズの1stアルバムは1997年くらいに韓国でもCDがリリースされたんです。

●ホント? ラモーンズだけ? 本当のデビューから20年かかって韓国デビューしたわけね。

ジュヒョン:他のパンクもいろいろとリリースされた年で、だから僕たちがパンクを知ったのは1997年。SEX PISTOLSのCDもこの年に発売ですね。

ジョンヒョン:ベースのジュヒョンもラモーンズが好きだったから、韓国のジサン・・ロック・フェスに出演した時にトリビュート・ライブをやるコーナーがあったから、俺達みんなでラモーンズやろうという話がカモーンズ、スタートのきっかけかな。

●それは何年のフェス?

ジュヒョン:去年(2010年)です。

●じゃあ、YouTubeにあがっているあれがスタート?

全員:はい。

●ロックン・ロール系のバンドで、例えば、ラモーンズ、AC/DC、MC5もやってるけど、AC/DCやMC5はいつ知ったの? CDは発売されている?

ジュヒョン:AC/DCだけはリリースされてたけど、海外のバンドが日本みたいに韓国に来ることはほとんどないんですよ。

ジョンヒョン:僕はMC5は20歳ごろ、友達がドイツに行ったときに、コンピレーション・アルバムを買ってくれて、それで気に入って、バンドのことをネットで調べたりして勉強して。

●MC5、ラモーンズとくれば、NYパンクとかその辺りの好きなカラーが見えてくるけど、韓国にいたら、この手のロケンロールな音源を入手するのはなかなか厳しそうだよね? 誰かが海外旅行に行かないと入ってこない感じ?

ジュヒョン:今はダウンロードできるけど、そうしたCDを手に入れるのは、かなり難しい時代ですね。

●日本の30代の子達は、ブルーハーツやアメリカのクイアーズや初期のグリーンデイの影響から入って、ラモーンズを知るという流れがよくあるんだけど、あなた達は?

ジョンヒョン:韓国もそう。僕もパンクを好きになったきっかけは、グリーンデイでした。あとニルバーナも好き。そこから、昔の音楽を探して聴いていった。

●韓国では、バックグラウンドをさかのぼって音楽を追求するロック・ファンはあんまりいないよね?

ジュヒョン:少ないですね。それが習慣じゃないというか。

●ソウルで、ロック・ファンの女の子に「他に何聴いてるの?」と聞いてもほとんど答えられないのには驚いたよ。

ヒグォン:(山盛りのカキ氷を前に)これ、どうやって食べればいい?

●男らしくガッとかじる(笑)。

ジュヒョン:同じ。韓国のネオ・パンクのブームがパンクを知るきっかけになったのは確かです。

●それが97年のパンクCDがリリースされた時代?

ジュヒョン:そう。だいたいその頃。96年とか97年。

ジョンヒョン:韓国でグリーンデイの「Basket Case」がリリースされた頃だから…。

ジュヒョン:95年? 94年? グリーンデイの「Basket Case」は凄い人気でその頃が韓国パンクの誕生の年だな。

ジョンヒョン:ホントにすごい人気だった。

ジュヒョン:それで僕はベースをスタートし、最初に練習し始めたのが97年で、ラモーンズ。

●なるほど。それは簡単そうだったから? ちなみにCJ? DeeDee?

ジュヒョン:DeeDeeです。DeeDeeのベース・プレイがカッコイイからYouTubeを見てファーストを聴きながら練習をスタートしました。

●YouTubeでカモーンズの映像を見たけど、観客に説明してるよね? 「HEY HO!って言ったら、みんなLET`S GOって言ってね」と。あれが私には新鮮というか、かけ声が根ずいてないから説明しないとできないんだね。それでラモーンズ知らない観客に、ラモーンズの曲はウケてた?

ジュヒョン:みんな凄く楽しそうだった。

ジョンヒョン:フェスの夜だったし、外国人も酔っぱらいも多かったからなのかわからないけど、とにかくみんなのってて、楽しんでるな、という感じはしたなぁ。

●外国人やアメリカのベースで働いてる人達は知ってると思うけど、韓国人にはなじみないよね。

ジュヒョン:たぶん、みんな曲を知らないね。

ヒグォン:だから「HEY HO」のやり方を説明してもきょとんとした顔して説明を聞いているんだ。

●へええ。カモーンズがもし日本でライブをやったら「HEY HO」って言えば説明しなくても「LET'S GO!」って返ってくると思うよ。特にファン・クラブのイベントはマニアばかりだから、かなり受けると思う。

全員:へええ。いいなあ。(と嬉しそう)

●ラモーンズの曲やエイト・ビートは韓国でも受け入れられそうですか?

ジュヒョン:わからない、難しいかなぁ。

ジョンヒョン:よくわからないけど、昔の韓国のロック・バンドでラモーンズみたいなパンク・バンドに影響を受けたバンドはほとんどいないな。

ジュヒョン:ぜんぜんいない。ていうかみんなラモーンズを知らなかったと思う。

ジョンヒョン:韓国のロックの時代は、ほとんどがメタルかハード・ロックがメインだったから。

●でも、今年グリーンデイが来韓したから、これからは少し変わるんじゃない?

ジョンヒョン:うん。グリーンデイのようなパンク・バンドに影響を受けたバンドが出て活動しているから。

ジュヒョン:CRYING NUTやNO BRAINや。

ジョンヒョン:歴史が始まったと感じてる。

ジュヒョン:韓国の場合は70年代政府が音楽を規制していたので、ロックが簡単に入って来なかったけど今は少しづつ変わってきてる。

●最近は日韓のエンタメや音楽も行き来してるから、状況は変わってくんじゃない? 私個人の期待は君たちのようなロックン・ロール系やPOP PUNK系がもっと増えてほしいなぁと思う。

全員:(うなずく)。

●ところで、韓国のその状況じゃ、ラモーンズのCDは全部持ってないというか聴いたことがないの?

ジョンヒョン:全部は持ってない。僕の場合は全曲を聴けてないんだ。

●この中でどれを聴いたことがある?(と、ディスコグラフィーを見せる)

ジュヒョン:このライブCD。

●『LOCO LIVE』? 『It's ALIVE』?

ジュヒョン:2枚組のコンピレーションCDだけど、それはこのディスコグラフィーにないから海賊版なのかも。ラモーンズのCDは1st以外オリジナル盤がリリースされたことはないんじゃないかと思う。

ジョンヒョン:うん。どうやっても全アルバムは簡単には手に入らない。だから、カモーンズもラモーンズの初期の曲が中心です。

ヒグォン:僕はカモーンズをやって初めてラモーンズを知ったので、よくわかりません。

ジュヒョン:韓国のバンドはほとんどこういう感じです。

ヒグォン:僕よりも知らないと思う。僕はもともとクラシックが専攻でオーケストラのドラマー。次にFUNKとかJAZZに行き、ギャラクシーでロックを始めて知ったし、ロックのバンドも初めてです。

●日本ではなかなかいない経歴だと思う。でも韓国ではよく聞くよ。好きなロック・ドラマーは?

ヒグォン:ロックを始めてから知った人で、レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナム。最初は名前だけ聞いたことあるくらい。

ジュヒョン:ライブ盤は2枚出ているけど、メンバーが違う以外に音に違いがあるの?

●ライブは、DeeDeeのいた初期とCJの後期だと、セット・リストの並びと演奏のスピードが全く違うの。日本のバンド達は、カバーをやる時に、『Its alive』バージョンか『LOCO LIVE』バージョンか、を選んだりしている。カバーするとラモーンズはシンプルだけど、すごい難しいとよく言われるね。カウントともね。カモーンズのパフォーマンスは何を見て勉強したの?YouTube?

ジュヒョン:YouTube。それ以外に見るものは無いから。

●どの頃のYouTube?

ジュヒョン:イギリスのTVショー。

ジョンヒョン:ライブ映像たくさん。

●ジャンプやいろんな特徴はよくとらえてるよ。じっくり見て、チェックしたけど、なかなか上手。

全員:ありがとうございます! (笑)

ヒグォン:僕の場合は、ずっと同じ叩き方で、つまらないので、最初はただただ叩いてたとげ、少しずつ頭も振るようにしました。

●本物は頭振ってないけどね。日本のバンド達はドラムもこだわる人が多いよ。マーキー・ラモーンの『ドラム・クリニック』のDVDを見るとエイト・ビートのこだわりと叩き方や、手首の使い方とか、いろいろ分かっておもしろいよ(と言いながら叩く仕草をする)。手首のここをキープしろとか教えてくれるの。

ヒグォン:ユキさんが今やったみたいに、そういうふうに叩くの?

●違う違う。私のはテキトー。エイト・ビートは歳をとると辛いから、今のうちにクセにしとくといいらしいよ。

ヒグォン:へえぇ、深いですね。

●ラモーンズのギターはダウン・ピッキング(ストローク)なんだけど、カモーンズもそうやっている? YouTubeだと画像が荒いからよく見えなくて、チェックできなかった。

ジョンヒョン:ダウン・ピッキングで弾けるように努力はしてるけど、くせがあって、気を抜いたらあがってきます。ダウンばっかだとやっぱり難しくて、歌ってる間に上がっちゃうな。

●ベースはストラップを下まで下げたりしてできるの?

ジュヒョン:昔、韓国ではショート・ストラップしか売ってなかったから、自分で長さを足して作った。

●へえぇ、かっこいい。

ジュヒョン:今は長いのもあるけど、昔はノーマルサイズしかなかったから。

●ちなみにモズライトは手に入る? ソウルの楽器屋に行ったことあるんだけど、売ってなかった。

ジュヒョン:ないですねぇ。それに値段も高いでしょう?

●ラモーンズのカバーをする時に、気をつけてることはある? 例えば、日本のバンドだと同じコードを何回もやるから、2回3回4回と数えなきゃいけないとか。私はミスを見つけちゃおうっていう意地悪根性で、YouTube見たけど、ちゃんとカウントもあっててばっちりだった。だからどうやって練習したのかなーと。

ジュヒョン:あー、よかった(笑)。

ジョンヒョン:実は練習の時は間違えてたから、間違わないように! 練習しました。

●すばらしい。(拍手)

ジョンヒョン:練習は重要。

●そうだね。

ヒグォン:でも僕は今でもわからなくなったりする(笑)。

●ドラムの教則DVDゲットした方がいいよ(笑)。

ヒグォン:わからなくなったりするけど、僕は同じように叩ければいいので大丈夫。

●ふーん。チェックするからー。

全員:(笑)

●カモーンズのライブの曲のセレクトは?

ジュヒョン:カモーンズのオリジナル曲も入れてます。ラモーンズ風の曲。

●え? オリジナル曲もあるの? カモーンズの。

ジュヒョン:そう。GARAXY EXPRESSじゃなくて、カモーンズのオリジナルの。

●イイネ。エイト・ビート風ってこと?

ジュヒョン:そう。これ(と、iPodでその曲を聴かせてもらう)。

●英語?

ジョンヒョン: そう。カモーンズは韓国のバンドじゃなくて、外国から来たバンドという設定にしてるから、MCも英語で、韓国語の挨拶はたどたどしく(笑)。

●なるほど。そしてカツラもつけてなりきるわけね(笑)。ちゃんと聴いたアルバムはライブ盤と1stだけ?

ジュヒョン:『END OF THE CENTURY』。

ジョンヒョン:僕は2枚組のベストアルバムのようなものです。

●『RAMONES MANIA』かな。

ジョンヒョン:一緒に住んでた友達が持ってた。そのときに「ラモーンズのコピーバンドをやりたいね」という話になって、日本人の友達と3人でやりました。

●次回、ソウルに行く時におみやげで何枚か音あげるよ。

全員:おおー!! ありがとうございます。

●その中から、セレクトしてカモーンズの新曲増やしてね。またYouTubeをチェックするから。

ジュヒョン:OK!!

●他にもギャラクシーみたいにカバ・ーバンドやっているバンドはいないの? これってすごくユニークじゃない?

ジュヒョン:同じメンバーでカバー・バンドをやっているチームはないですね。自分達も遊び感覚でやり始めたけど、オリジナル曲まで作ってアルバムを出そうという話にまでなっちゃって。僕たちのように活動しているバンドはいないですね。

ヒグォン:うん、いない。

●どうして、やろうと決めたの?

ジュヒョン:エフェクター・ボードが重いのが、いやだったから(笑)。シンプルに楽しくやりたかった。これ本当。今の目標はギャラクシーの3rdアルバムのリリースと同時にカモーンズのアルバムを出すことです。

●本当?

ジョンヒョン:はい。来年くらいに。

ジュヒョン:韓国の音楽はどんどん複雑で難しくしようとする傾向があります。シンプルなロックは排除されそうなくらい。

●韓国はシーンが小さいから活動も大変だと思うけど、日本はロック・シーンのベースはあるから、いいの作って日本でもやってください。でもギャラクシーって6月にも来日してたんでしょう? ぜんぜん知らなかった。よく日本に来てるならFCのイベントにも出て欲しいよ。

全員:ああ、FCのイベントで凄くやりたい!!

●これは今年の4月にやったFCのイベントでThe QUEERS(直前にドタキャン)とSPAZZYSに出演してもらったの(とフライヤーを見せる)。

ジュヒョン:昔韓国でクイアーズ見ました。本当にかっこよかった。

●日本のバンドで少年ナイフは知ってる?

全員:知ってます。

●少年ナイフが今年バンド結成30周年記念で大阪ラモーンズというCDを出したのは知っている?

ジュヒョン:知らない。でもかっこいい。

●大阪ラモーンズは少年ナイフの前座で革ジャン着て「1・2・3・4!」で登場。カモーンズもどう?

ジョンヒョン:ギャラクシーの前座やりましたよ。オープニングがカモーンズ。

●疲れた?

ジュヒョン:大丈夫。

ヒグォン:ノー。シンプルだしぜんぜん大丈夫。

ジュヒョン:今考えているのが、来年アルバムを同時に発売して、ライブで戦うという感じです。

●楽しそう。どこでやるの?ソウルのホンデ?

ジュヒョン:ホンデ。

●じゃ、見に行く!

ジュヒョン:練習たくさんやらないと(笑)。

●映画『END OF THE CENTURY』は見れてないよね?

ジョンヒョン:見てない。韓国ではなかなかこういう音楽映画は入ってこないです。DVDもない。


●これは2004年度の作品だけど。

ジュヒョン:韓国では音楽に関する情報や映画などが翻訳されてないんです。だから、なかなか普通の人が関心を持てないんだと思う。残念です。

●なるほど。自分たちは例えば、グリーンデイとか韓国で有名になったバンドのヒストリーに興味をもったりするの?

ジュヒョン:好きなバンドの歴史は辿ってみたりしますね。

●ラモーンズがどういうバンドだったか知ってる?正直に言っていいから。

ジュヒョン:本当に詳しくはわかりません。ベースがジャンキーだったということとか。

ジョンヒョン:NYで始まったバンドだったとか。

ジュヒョン:昔はひどい音楽だとも言われたが、ある人がすごいポップな音楽だと言ったことで有名になったと聞いたことがあります。

●そうか。まだ韓国はいろんな制約があるんだね。

ジョンヒョン:この前SXSWのツアーでNYに行ったときに、CBGBに行ったけど、すごく高い洋服屋さんになってました。トイレの便器まで持って、ラスベガスに引っ越したと聞きました。

●そうそう。ハードロック・カフェとか行ったことある? ラスベガスのハード・ロック・カフェみたいなクラブを目指しているんだよ。完全にビジネス。昔のCBGBは、本当にホンデにあるライヴ・ハウスFFみたいな汚いけどいいライブ・ハウスだったんだけどね。

全員:そうかぁ(と、頷く)。

●これは2004年に映画が公開されたときにFCで作ったプログラムのパンフレット。ラモーンズはLPの時代70年代のバンドだから、LPの形にしたんだ。

ジュヒョン:すばらしい。

●カムサハムニダー(ありがとう)。

ヒグォン:かっこいい。どういう映画ですか?

●内容がすごくショッキングで、ラモーンズのファンや一般のロック・ファン全員が知らなかった内容が暴露されているストーリー。それを見てショックを受けたファンが多くて、うちにメールや電話がきてた。

全員:見てみたいなぁ。

ジョンヒョン:韓国ではラモーンズを知っている人はほとんどいないのに、Tシャツを着てる人はけっこういる。

●日本も同じだよ。

ジュヒョン:韓国ではショップに「ラモネズのTシャツあります」と書いてあったりします。

●南米と呼び方も一緒だね。

ジョンヒョン:なんでだろう。ロゴがいいからかな。

●カモーンズも作ればいいのに。

ジョンヒョン:それこそイミテーション(笑)。

●カモーンズの活動は今後も続けていくの? 例えば次は他のバンドのカバーとかもやりたいとかあるの?

ジョンヒョン:カモーンズを始めたのは、真剣な感じではなく、ただ楽しかったので、やめるやめないというものないですね。とにかく、次アルバムをリリースするので、楽しくやっていくだけ。

ジュヒョン:ラモーンズ・スタイルのギャラクシー曲も入れて自分たちも楽しみたい。

●OK。カモーンズのライブを見られる日を楽しみにしてるよ。今日はどうもありがとう。

★★

■GARAXY EXPRESS INFORMATION■
http://galaxyexpress.co.kr
 
『WILD DAYS』




インタビュー / FCスタッフ:カイチョー・ユキ(yuki kuroyanagi)
取材場所 / 千葉にて(2011年8月)
写真 / yuki kuroyanagi(group)sumie(取材中)COMEONS(LOVEROCK提供)
協力 / ki myoung shin(LOVEROCK)


テキスト及び写真 : 畔柳ユキ / Ramones Fan Club Japan (c)RAMONES FAN CLUB JAPAN
ALL TEXT & Photos by (c)yuki kuroyanagi & (c)RAMONES FAN CLUB JAPAN

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