会報時代からの人気企画「ラモーンズ・マニア」が復活。記念すべき第一回は「ロンドン・ナイト」でも活躍中、昔はFC会員でもあったDJ Katchin'のインタビュー。ラモーンズ・グッズのコレクターとしても名高いKatchin'のお宝写真とライブ体験話をとくとお楽しみくださいませ。

●まずは自己紹介とお仕事を教えてください。


── Katchin'です。DJを主にやってます。皆が知っているところだと、ロンドン・ナイト(毎週金曜日にやっているDJイヴェント)が一番有名だと思います。ロンドン・ナイトが一応レギュラーで、たぶん年末のクリスマス・スペシャルに来たことがある人もいるんじゃないかなと思いますが、クラブでDJをやったり、最近ではDJという立場で音源をリリースしてます。

●リリースはどこから? 自主レーベル?

── ディスク・ユニオンの中にあるNiw!recordsというところからで、フロンティア・バックヤードやキュービズモグラフィコなんかと一緒のレーベルです。あとラジオもやったりしてますね。

●現在、何歳?

── 1971年生まれで35歳です。

●ラモーンズを初めて聴いたのはいつ?

── たぶん高校1年生頃・・・1986年?『アニマル・ボーイ』は何年?その前が『ハーフ・ウェイ・トゥ・サニティ』ですよね? だからたぶん『アニマル・ボーイ』の時。

●後追いで聴いたのではなく現役で?

── 『アニマル・ボーイ』あたりで聴いて、『ハーフ・ウェイ・トゥ・サニティ』を買った時に、それを新譜と知らないで買ってたはず。

●旧譜だと思って買ってたの?

── 旧譜だと思ってたら新譜だったっていう。

●うーん、カッチン話が若い!

── (笑)。そうですよ。でも、俺もそんな若い方じゃないし。

●『アニマル・ボーイ』は何で聴いたの? ラジオ?

── ラジオでかかってないから、レコードを買ったんすよ。

●その時はどこに住んでたの?

── 群馬です。高校ぐらいの時。

●『アニマル・ボーイ』を聴いた印象は?

── いや、『アニマル・ボーイ』の時期なだけで、『アニマル・ボーイ』を聴いたわけじゃなくて、サード・アルバム『ロケット・トゥ・ロシア』を聴いて、それが初めて買ったレコード。

●じゃあ、『ロケット・トゥ・ロシア』を聴いて知ったけど、『アニマル・ボーイ』が出たなっていうんで買ったってこと?

── 『アニマル・ボーイ』が出てる時期に『ロケット・トゥ・ロシア』を聴いて、それで出たのが『ハーフ・ウェイ・トゥ・サニティ』だった。それが初めて買った新譜。整理すると、時代は『アニマル・ボーイ』、一番最初に聴いたのがサードの『ロケット・トゥ・ロシア』で、一番初めに買った新譜が『ハーフ・ウェイ・トゥ・サニティ』。だから、『アニマル・ボーイ』が出てから、しばらく経ってから知ったんだと思う。

●じゃあ、一番初めに聴いた『ロケット・トゥ・ロシア』の印象は?

── 単純に凄いかっこいいロックンロールだと思った。その当時はセックス・ピストルズを先に聴いてたんすけど、「ラモーンズもパンクなんだよ」って大人に言われて買ったら、全然ラモーンズの方がロックンロールだなと思って。そもそも50年代のロックンロールが好きだったから、それに通じるものがあったなっていう、今考えてみれば直感的に感じたんだなと。(ラモーンズは)パンクっていうよりロックンロールだと思っていた。

●その時は、今みたいに「ラモーンズ命」ぐらいな一番っていうバンドではないでしょ?

── 結構もう最初になりそうになりましたよ。もの凄い勢いで俺のビルボードをバババッて上がっていって、たぶんピストルズとラモーンズが同時で1位みたいな、そういうノリだった気がする。

●ピストルズはファッションから入ったの?

── そう。でも音もかっこいいと思ったのも事実。

●ピストルズもロックンロールっぽいって言われてるよね?

── そうですね。

●クラッシュは?

── ピストルズは格好で入ったけど、クラッシュみたいに自分でペイントしたりするの、俺、ダメだったんすよ。その当時、Do It Yourselfとか全然わかってなくて、「オシャレじゃない!」みたいな(笑)。「自分でペンキ塗ってらー!なんかダセーな、こいつら!」みたいな(笑)。

●カッチンにとって、時代はDIYではなかったと(笑)。

── そうそう(笑)。どっちかって言うと、ブランド・ロイヤリティーじゃないけど、子供だったんで、そういう感じ(笑)。

●(笑)。

── だから、クラッシュの価値とかは、ホントにスゲー後になってわかった。クラッシュが凄いのは音楽性とか姿勢みたいのがカッコイイみたいな。

●なるほどね。『ロケット・トゥ・ロシア』でラモーンズの見た目はどう?

── ラモーンズ、スゲーださいじゃないすか。実際。でもやっぱりシドがディー・ディーの大ファンじゃないですか。それで、革ジャンが俺の頭の中にもあったから、凄いアリだった。まぁ、シドがディー・ディーの真似してるってのも後で知ったんすけどね。

●じゃあ、その当時からいくと、シドが先でラモーンズがセカンドでしょ? それでも「ダセーけど音がカッコいいからいいや」ってことになったの?

── でも、アリなんじゃないかと思ったんすよ、何故か。革ジャンがちょうど欲しかったのかも(笑)。

●まぁ、いいや(笑)。そこでラモーンズにピンときたのに、その後、東京セックス・ピストルズに入ったの?

── また戻ったのよ、俺の中では(笑)。でも、俺、東京セックス・ピストルズの時は、後半は凄いラモーンズだったの。YouTubeとかに当時の映像があるらしい(笑)。で、高校生の時にモロ、パンクだったけど、ラモーンズ聴いて髪の毛伸ばして、それで高校の後半は髪の毛長かったんですけど、先輩が「東京セックス・ピストルズやりなよ。ギターがいねーんだよ」って誘ってくれて、「全然いいですよ」みたいな感じで話してて、東京出てきて入ることになったんで、また髪切ったみたいな。

●そこで一回ラモーンズを捨てた?

── ラモーンズを捨てたわけではなく、我慢してただけだから。我慢してただけであって、結局、あのバンドも1年か2年くらいしかやってないんだけど、後半、俺マッシュルーム・カットだった。「電撃バップ」とかライヴで演ってたもん。「俺がやりてー」っつって。

●意見は通ったの?

── スゲー簡単だから、曲が。ヒカルさんもできるみたいな(笑)。

●初めてのラモーンズ・ライヴ体験は?

── 90年のチッタかな。

●東京に出てきたのはいつ?

── 89年。

●当時はFC会員だったから仕事なんてしてない時代? 20代?

── 専門学生でした。

●ということは、ライヴ後にメンバーに会ったりとかそういうこともなく?

── えっとね、もぐりこみました。その時、既に大貫さんを知ってて、俺、専門学校に行くより先にロンドン・ナイトに行ったから。順番が若干ズレるんすけど、だからもうロンドン・ナイトの人たちを知ってたんすよ。で、もう、すぐ(東京セックス・ピストルズ)のライヴを演ってたから、大貫さんのイヴェントで。それで、俺がラモーンズ好きだってことで、チケットか何かもらえて、やった!っつって、ちょうどタメで一緒にDJやってるSHOJIってヤツと2人で行って。当時、IHARAさんがスマッシュで働いてたんすよ。で、IHARAさんいるから楽屋行ってみようぜって勝手に楽屋行ったんすよ。で、“写るんです”(使い捨てカメラ)で写真撮りまくった。90年のチッタはサインも貰いまくって、完全にもぐりこんだって感じですよ。

●その時はメンバーには会えたの?

── 会えました。

●印象はどうだった?

── スゲー全然いい人ですよ。だって、もぐりこんでいるのにサインも写真も全部くれる。見るからに俺ら子供だったのに。18とか19だった。

●緊張したりしなかったの?

── その時は何故か緊張しなかったんですよね。わー!という感じではなく、入れてラッキーみたいな感じで騒いで写真撮ったって感じ。2回目に会った時は、大貫さんのアシスタントで行ったから、その時はちょっと緊張したけど。

●メンバーの中で特に好きなのは誰ですか?

── ジョニーですよ。

●それはどうして?

── やっぱり、ジョニーがリーダーだっていうのを知らなくてもそう見えるじゃないすか。見えましたね。明らかにボーカルとかがリーダーじゃねぇな、このバンドはみたいな。

●リーダーが好きなの?

── いや、なんかジョニーがラモーンズ・・・ラモーンズはジョニーだと思っていた。

●自分がギタリストだったから?

── それもたぶんあると思う。

●ギターはいつから始めた?

── 高校の時。ベースじゃなくてギター。やっぱりギターを始めたのはピストルズの存在が大きくて、で、ピストルズのスティーヴ・ジョーンズが持ってるギター(レスポール)がスゲーかっこいいなと思った。ある日、友達が、フェルナンデスって会社の白いレスポール・カスタムを買ったんすよ。その現物見たらスゲーかっこよくて、「うわ、なんだこれ、スゲー超いいね!」とか言って、それで、俺も買おうと思って、次の日に高崎まで出ていってフェルナンデスの黒を買った。で、家に持って帰ってきて、「俺もギター買ったんだ、弾いてみよう」って思ったら、「あ、よく考えたら、俺弾けねーよ」ってなって、買ってから自分が弾けないことに気付いて教えてもらったんですよ、ピストルズの曲とか。そんで、後でラモーンズ聴いたら、ラモーンズの方がスゲー簡単で、いっぱいコピーした(笑)。

●それはレスポールでコピー?

── レスポールでコピーした。モズライトなんていう認識がほとんどなかったと思う、最初は。

●ないよね。その頃、モズライトを手に入れるの大変だったじゃない? 今はジョニー・モデルとか色々あるけど。じゃあ、唐突ですけど好きな曲3曲と理由を教えて。

── (唸りながら)難しいなぁ。いやぁ・・・・・「シーナ・イズ・ア・パンク・ロッカー」。自分のアルバムでカバーしてるっていうのもあるけど、やっぱり純粋にいい曲。大好き。あと、「ボンゾ」。それから「ハヴァナ・アフェア」。何かって言われたら、とりあえずその辺なんだけど、キライな曲は基本的にないから。

●あ、そう。じゃあ、苦手なアルバムはある? 『ブレイン・ドレイン』とか?

── あ、ヘヴィすぎる?

●なんかちょっとラモーンズとは違うような感じが・・・

── あぁ、なんかね、わかる気がする、言ってることが。でも、俺も『ハーフウェイ・トゥ・サニティ』のあたりで、メタルっぽい音も出してたんで、『ブレイン』はそれに拍車をかけた感じだったから、ま、いっかなみたいな。それと同時に、『ラモーンズ・マニア』が出てたから、全然違和感なく聴けたっていうか。

●大貫さんが、その当時よくかけてたアルバムが『ブレイン・ドレイン』か・・・

── やっぱその当時、大貫さんのスタンスで考えれば、ラモーンズのアルバムが上位に挙がらないのはおかしいじゃないすか。

●まぁね。そうだけど、そういう時に、何も『ブレイン・ドレイン』じゃなくてもって思うような時に、『ブレイン・ドレイン』って言うから・・・

── そういうタイミングじゃなくってってこと?

●リリースのタイミングじゃなくて。じゃあ、後半の何枚かの中で、って質問の時にでも、『ブレイン・ドレイン』は良いよって挙げてたから、ちょっと意外だなあと思っちゃったの。好きなアルバム3枚挙げてって聞かれた時、常にかわらない人? 常にポンポンポンって出せる人? 時期によってかわるんだよって感じ?

── ファーストと『プレザント・ドリームス』。あと1枚しいてあげれば『ロコ・ライヴ』じゃないすかね。

●この3枚はコア、コア・ラモーンズのチョイスだね。

── 『プレザント・ドリームス』はスゲーいいアルバムだよね。

●これはラモーンズのコアなコアって感じじゃん。ファーストか、または『ロケット』って言う人が多い。『ロコ・ライヴ』っていうのは、なかなかあんまり聞かないけど、でも凄くわかるよ。

── 『ロコ・ライヴ』って完璧なベストだと思いますよ。

●そうだよね。最近そう思った。そうだなって。なるほどね。あ、ごめん、曲で、「ボンゾ」が好きな理由って何なの? メロディ・ラインとか?

── メロディ・ラインと哀愁と後半の転調。あとコーラス。ギターの音もいいよね。

●「ハヴァナ・アフェア」は?

── 曲の構成が好きです。

●へぇ、仕事っぽい。DJっぽい。さすが、最近作曲してるだけあるなぁ!

── (笑)。

●Katchin'はコレクターとして有名ですが、会員が驚くようなモノを3つくらい教えてください。

── えーと、74年のCBGBでやったライヴのジョニーの手書きのチラシ。『ラモーンズ・ファイル』にも写真が載ってます。あれと、96年のロラパルーザでジョニーが着てたチャールズ・マンソンのTシャツ。あとは、ヴェガが一番最初に作った証明写真のポスター。

●そんなのあるの?(笑)

── なんか、Gジャンみたいな形の革ジャン着てて、確か縞々のTシャツ着てて、あの例のバックルをしてるやつ。それが一番最初のポスターらしい。ラモーンズって書いてあって、胸から下だけでベルトが出てて、それに一応オリジナル・メンバーのサインが全部入ってる。オークションに出ててヴェガから買った。トミーのサインも入ってるから。

●気が付いたらなってたと思うんだけど、コレクターになったきっかけは? ラモーンズ以外の他のバンド・グッズも集めてるの?

── いや、ラモーンズだけですね。

●昔からコレククターっぽい人なの? 高校の時にギターとか?

── そんなに集めグセもないと思うんすけど、懲り性っつったら懲り性だと思う。ただホントにポスターとかそういうもののデザインって海外のモノって全然雰囲気が違うじゃないですか。凄いかっこいいなと思って、ポスターに出ている形体が好きだったんですよ。

●じゃあ、最初は紙モノだったの?

── 紙モノでしたね。それで、ちょうど皆インターネットをやるようになって、98年とかそんなもんだと思うんですけど、ebayっていうオークション・サイトの日本語版があって、結構気軽にできたんですよね。しかも安かったから。今の方が高いんじゃないですかね。「スゲー安くてこんな値段で帰るの?スゲーいいじゃん」って。

●例えば幾らくらいなの?

── フツーの70年代当時の販促用のLPジャケットを凄いデカくしたようなポスターが10ドルくらい。そういうのを、「わー!ヤシーヤシー!」って買ってるうちに、どんどんレアなモノがいっぱい出てくるようになって(笑)、アメリカからの郵便物が届かない日はなかった(笑)。

●コレクターとして将来ほしいものは? いま狙ってるモノとか、今ではなくても将来「ジョニー・ラモーンのギターが欲しいぞ!」とか?

── それは、ありますね。それは、ホントにありますね。ジョニーのギターは欲しいです。ダニエル・レイが持ってるって、ちょっとなんかズルイっすよね、それ。ジョニーのギターは欲しいですね。特にレイのやつが(笑)。できれば欲しい。あとは、「ビート・オン・ザ・ブラット」のバット。小さいやつ。あれなかなかないんだよねぇ。でも、やっぱり俺の中で一番デカイのは、『ロケット・トゥ・ロシア』のポップあるじゃないですか、すごいデカイやつ。あれを2年くらい飾ってた。リフ・ランデルが立ててたやつ。あれ、畳めるの。ちゃんと折り目がついてて、開いて組み立てるようになってる、後ろが。今は危険だからしまいました。あれはやっぱり嬉しい。映画とかイギリスのEP・・・メルティング・ポットのジャケ写にも使われてるじゃないですか。スゲーいいなと前から思ってて、それは少し高かった。200ドルくらい。98年頃に購入。

●一番高かったモノは?

── ジョニーのTシャツ。あれは15万円くらいしたかも知れないですね。ニューヨークのコレクター、ジミーと俺の2人で競り合って跳ね上がっていった(笑)。その時はまだ知り合いじゃなかった。で、ロラパルーザの最後で着てて、しかも、マンソンのTシャツってよく着てたじゃないすか。だから、これはヤバイと思って、絶対買わなきゃダメだと思って、スゲーもうジャパン・マネーをどんどん投入して、どんどん、どんどんつぎ込んでいって、そしたら、ジョニーが着てたTシャツ第2弾としてYooHooドリンクのTシャツが出てきて、「順番逆だろ!」みたいな。「俺こっちほしかったんだよ!」みたいな(笑)。

●あれ、持ってなかったっけ?

── 作ったヤツが、「俺んちの押入れから出てきたよ」みたいなモノを買った。在庫を買ったんすよ。でも、あのTシャツ、そいつのHPで今売ってるんですよ。知ってました? 誰だかわかんないんだけど、なんかファンのヤツがジョニーにプレゼントして、3枚くらいしかなかったって言ってて、押し入れほじくったらまた出てきたって2枚くらいオークション出たんすよ、その時。でもそれ以降出てなかったんすけど、いま、ネットをチェックするとアイツ売ってますからね、自分のマーチャンとして。30ドルくらいで。

●どこ見ると出てくるの?

── あのね、俺も偶然発見したんすけど。YooHooで検索? 当時の在庫は買ったんすよ。でも俺、頑張って2枚目も着てたやつをゲットしようとしたんだけど、ちょうどオークションの終わりの頃に仕事で、「うわー、もうどうにもできない!」みたいな感じになって(笑)。でも、入れられるだけ入れといたんですよ、金は。自動入札で。だからもう2,000ドル近く入れてたはずなんですよ(笑)。

●後悔したことは? 「つぎ込みすぎた」って、「これはいいや、売っちゃおう」とか?

── いや、ないですね。ダブりがあんまりないんで。うん。

●ラモーンズ・ミュージアムとかやるつもりないの?

── いや、やりたいですけど、余裕がないんですよ。

●物理的なことは置いといて、コレクターだから全部好きなヤツに見せてもいいけど、自分で持っておきたい、かこっておきたいから見せたくないとか。例えば誰かが渋谷のこのへんで「ウチ空いてるから、やらない?」とか言われたらどう?

── いやいや、やりたいですね。逆に日本にせっかくあるから日本のファンのために見せたいっていうのはやっぱありますよ。

●いま誰も知らないけど、FC会員もほとんどラモーンズのライヴを見たことない子ばっかりだから、それはアリなんじゃない?

── それはもちろん。逆にやりたい。ただ、こないだみたいに映画館で、誰か見ててくれるならいいけどさって、それが一番。なくなったりとか、かっぱらわれたりとかしてお金貰ってももうどうしようもできないじゃないですか。そういう問題じゃないんで。ミュージアムの人が毎日常駐してるし、夜中忍び込んで盗むやつもいないと思うけど・・・

●そういう問題がクリアになったらいいんだ?

── 逆にやりたいです。

●ハードロック・カフェみたいに展示しちゃえば? 手の届かないところに。

── 酔っ払いのいるところではやりたくないよね、基本的には(笑)。自分がコレクターみたいな形になっちゃったんで、結果的に。やっぱり集めていくと増えていくと意識がどんどん高くなっちゃうじゃないですか(笑)。集まってくると「俺んちスゲーのあるじゃん」みたいな。もうちょっと集めようかって思ってる時期もあったし、でも、もうあんまり出てこなくなったんすよ。バッタもんみたいなのが増えてたりするし、そもそもグッズ自体がパンクじゃないですか。俺も今でも精神的にはパンクスだと思ってるんですけど、パンクスなんてタチ悪いじゃないですか。危険だなと自分でも思うんですよ。状況さえ整えば、いつでもやりたいと思いますね。

●発売してるモノに関しての宣伝になってもいいけど、今までリリースしたTシャツなどは、自分が着たいから作ったの? きっかけは?

── まず、それもコレクターの流れを汲んでるんですけど、Tシャツの当時のモノっていうのがオークションで全然出てこなかったんですよ。全くなくて、昔の写真とかでヴェガが着てるような初期のシンプルなTシャツとかが一切なくて、その時に当時の『ロード・トゥ・ルーイン』のTシャツを作った版下みたいなのをたまたま売ってて、「何だこれ、スゲーおもしれー」と思って、それを買ったんですよ。買ったら、セル画みたいな透明なヤツに絵が描いてあるプリントがされてあるだけで、そこから版を起こすんですけど、版のモトも一緒にオマケでついてきたんすよ。昔Tシャツ作ったシルクスクリーンも一緒にきて、「ん? つーことは、これでまた版を作ればいいんだろ?」みたいなことになって、「じゃあ、Tシャツがねーんだったら、作ればいいんじゃねーかな」と思って。当時のTシャツって雰囲気が全然違うじゃないですか。ロゴとか。プリントも何か小さめっていうか、今の雰囲気じゃないから、これじゃ作っちゃったらどうなんだろ?っていう感じでどうなのかな?ってヴェガに聞いてもらったんだよね。

●そうでしたね。あれは、ヴェガが捨てたモノ。捨てたモノを拾った誰かが売ったんだったね。

── そうそう(笑)。俺ゴミを買ったんすよ。

●幾らだっけ?

── 100ドルくらいかな。そのゴミ・・・っつうか、その原版みたいなのとラモーンズのロゴの原版も一緒に貰ったんすよ。それで、『パンク・マガジン』のジョン・ホルムストロムのサイン入りなんすよ。せっかくサインも入ってるからTシャツにもサイン入れちゃえってプリントしちゃったの。だから「これは再発モンなんだぜ」みたいな。

●バウンティ・ハンターで出してるモノって、FC会員は新しい子が多いから知らないんだけど、今まで何が出てる? 冬のマフラーと・・・?

── マフラーは映画でやらないかって言われたからやった。バウンティは『ロード・トゥ・ルーイン』とロックの殿堂入り記念の日本版・・・ヴェガが少しロゴをアレンジして色が違うんだよね。それと、こないだのジョニー・ラモーン。

●ピンヘッド・スカルはヒカルさんが勝手に作ったの?

── あれは、東芝に頼まれて作ったはず。

●なるほどね。もう買えないでしょ?

── 買えないですね。枚数限定。あと、デビロックで1枚出したんすよ。それは何か、トリビュート盤のやつ。ロブ・ゾンビの絵のTシャツ。あれはヴェガに頼まれてどこかで出せないかって言われて。デザイン的に、「これヒカルさんじゃねーな」と思ったから、デビロックに話を持っていった。

●今後また何か作れるとしたら、どんなモノを作りたいですか? それってでも版ありきで作ってるから、自分が作りたいものが作れるって感じでもない?

── そうですね。ロックンロール・ハイスクールのまた原版みたいのがあるんすよ。文字だけで。でも許可がおりない。ヴェガじゃダメで、プロダクションにたぶん聞かないとダメな話。

●ヴェガに「ちょっと待ってろ」って言われて、代わりにジョニー・ラモーン作れって言われたんでしたね。ジョニー・ラモーンは枚数多く作ったの?

── いや、100枚くらいですよ。

●それはOKなの?

── それはプロダクション通さないで「嫁にひとこと言っておくから」みたいな感じでしたよ。ロックンロール・ハイスクールの文字だけなんだけどね。文字だけで色んな色のTシャツ作りたいなと思って。ユニクロ方式。大量生産。ユニクロ方式でロゴだけはホンモノなの。で、色んな色があるの。

●でも日本ではラモーンズのロゴ使用の権利をヒステリックが持ってるから。

── 企業にはかないませんよ。この辺(バウンティあたり)がやっぱパンクスじゃないですか。DIYの精神。おれもやっとわかってきたっていう(笑)。

●作るからには地方の子たちの手に渡るようにしてあげないと。

── 基本的にはバウンティも東京・名古屋・大阪・福岡、通販もある。

●ラモーンズ・ファンだったから良かったこと、ツイてたなってことはある?

── 基本的には、俺がラモーンズ大好きだってことを周りの皆が知っているから、今ファットボーイ・スリムみたいなダンスっぽいDJをやっても皆納得してくれる。「アイツは一本芯があるから大丈夫だ」みたいな。そういうのなんか人間的なところですね。更にやっぱラモーンズを通して60年代の色んな音楽を知れたのが大きいかな。あと、やっぱりラモーンズを聴いてると音楽の歴史がわかるじゃないですか。彼らが若いときにビートルズとかのブリティッシュ・ビートがアメリカにどーっと入ってって、彼らにも影響を与えてるってことは、当時のアメリカのそのくらいの年代の人たちは、いわゆるイギリスのビートモノを聴いてた。第一期ブリティッシュ・インヴェイジョンみたいなもんじゃないですか。80年代にも似たようなことがあったけどっていう、やっぱそういうの知ると面白いじゃないですか。

●ちなみにラモーンズを聴く前の好きな基本のロックンロール系ってプレスリーとか?

── プレスリーも聴いたりしたけど、いわゆるオールディーズみたいな。例えば・・・

●オールディーズっていうとフォー・シーズンズとか・・・

── そういうのも好きですね。あと、「サマータイムブルーズ」のエディ・コクランとか、ジーン・ヴィンセントを何か知らないけど聴いてたんすよ。地元でそういうの聴いてるのが多かった。時代的にはそういうのを自分のライフスタイルみたいに聴きつつ、音楽が好きだったから地上派でやってたMTV見たり。『ベスト・ヒットUSA』を中学生くらいの時に見てて、“タイムマシーン”っていうコーナーでセックス・ピストルズやったんですよ。「ゴッド・セーヴ・ザ・クイーン」のビデオが流れて、その瞬間に、「あ、俺間違ってた」って思ったもん。「俺こんなの聴いてる場合じゃねーんだ」ってその時初めて思った。だから基本的に80年代のニューウェーブとか聴いてたんで、今そういう打ち込みみたいな音楽とかダンス的な要素の音楽も全然やぶさかじゃないんですよ、実は。小学校の時にYMO大好きだったし。もともと打ち込みなんですよ。

●ラモーンズ以外にはどんなバンドを聴きますか?

── 仕事だったらほんと打ち込みみたいなもんが多いっすよ。日本盤とか全然出てないような輸入盤だけの12インチとか、そんなんのばっかり。一番わかりやすいところでファットボーイ・スリム。あと日本盤が出てるところで言えば、エクスプレス2。それから、スペース・カウボーイとかケミカル・ブラザーズ。ケミカル大好きです。あと趣味というか家で聴くんだったら完全に60年代の音楽だけですね。それはもうはっきり言ってジャンル関係なく。サーチャーズも聴けば、マーヴィン・ゲイも聴くし。

●家でファットボーイ・スリムとかかかるとどういう気持ちになるの?

── もう「あー、なんか曲作んなくちゃ」みたいな(笑)。だけど、i-tunesってあるじゃないですか。こないだMacBookProって最新PCを買ったんすけど、流れてくる曲がバディ・ホリーとかですよ、i-tunesから(笑)。そいうい感じ。

●ファットボーイとジーン・ヴィンセントが同じとは思えないから何となくイメージでいんだけど、そういった曲とラモーンズの曲全部聴いて比べて、色あせてるなとか、ちょっとラモーンズも歴史になりつつあるなとか、そういう風に思ったことある? Katchin'は特に音楽の仕事してるし、音ばかりいっぱい聴いてて、ラモーンズの曲・・・Katchin'は聴きすぎてるから評価はできないかもしれないかなぁ、ラモーンズの曲って今でも新しく聴こえたりするの?

── いや、全然。だって・・・ラモーンズ自体は新しくないけど、今の時代の今のパンクが進化してないと思うんですよ。90年代でずっと止まってると思う。結局90年代の音楽って実はラモーンズだった訳じゃないですか。ラモーンズはタイミングが早かっただけで、やってることは90年代のパンクと全く同じことしてると思うんですよ。グリーン・デイとかオフスプリングとかNOFXでもいいんですけど。彼らがやってることっていうのは、まぁ、70年代とは言わないけど、でも始まったのは70年代だから、結局ラモーンズがやってたことを90年代にリバイバルさせただけだと思うんですよ。だから、決して古くなくって早すぎただけだと思うんですよ、ラモーンズは。どんなアルバムが出たって、結局ライブでもお馴染みの曲は必ずやるじゃないですか。必ず不動のナンバーはたくさんあるし、彼らは特にそういう意味で言えばヒット曲がないんだけど、そのラインナップが完成してるじゃないですか。それが俺たちのヒット曲であって、ライブが観れなかったことは残念なことだけど、みんなが聴いてる音楽で間違いはないと思うよ、俺は。だから古いとか新しいとかなんて関係ない。古いんですよ、パンク自体が。結局ラモーンズの焼き直しをしてる人たちが、今ミリオネアになっちゃってるわけじゃないですか。だから彼らはラモーンズが凄いって言ってるわけ。ラモーンズに稼がせてもらったんですから、ヤツらは。そりゃー、リスペクトしなかったらバチあたりますわ。

●なるほど、面白い意見。いいですね。ここからまだまだ深くなりますんで、巻きでいきますね。映画『エンド・オブ・ザ・センチュリー』観ましたよね? あれを観た感想をどうぞ。どう思いましたか? まず、あの実情・内情は、把握して観てたか、把握しないで観てたか。そこらへんから。基本的にこれを読んでる人たちは知らないから、大ショックって言うんだけど。

── 基本的には、今のファンの子たちよりも余計に知っているけど、YUKIさん達みたいな人よりは、そんなに知らない立場だと思うんですよ。だから、正直、「あ、そうだよな」って思う部分もあれば、「マジかよ」っていうのもあった。一回目観た時は、かなり複雑でしたよ。その映画がいいんだか悪いんだかじゃなくて、自分が複雑だった。試写会3回くらい行っちゃったんですよ(笑)。「納得できないからもう一回観させてくれ」って言って、2回目でちょっと落ち着いて、3回目くらいでふっきれたみたいな感じ。

●Katchin'はジョニーのファンだけど、一番初めに観た時、性格とかギターが好きとか色々あるから差し引いても、嫌いになりそうとかそういうのない?

── いや、それはないですね。やっぱり俺たちファンっていうのは、彼らの表面しか見れないから表面で人は判断できないし、そういう人間味じゃないですか、あれは。そういう個人的なことは別に関係ないと思うんですよ。彼らを何で好きかって言ったら、ラモーンズだから好きなわけで、ラモーンズのライヴが観たいとかレコードを聴きたいっていうそういう心理じゃないですか、俺たちは。なので、別に彼がプライベートで女を寝取ったりするのも「それはそれでしょーがねーんじゃねー、そんなのよくあるんじゃん」みたいな。ただ、立場がファンだったからちょっと複雑だな、みたいな。知らなくてもよかったことだよなってところが、やっぱりある。でもあそこまでやった、あそこまで出しちゃったことが、あの映画の価値だと思う。だからホントにギリギリ間に合ったわけじゃないですか。変な言い方だけど。あの映画作ったやつはホント偉いですよ。だって死んだりとかしてから皆や世間が騒いでるわけだけど、「おせーんだよ、死んでからじゃ」みたいな。「何で生きているうちに、ありがとうって言えねーんだよ」、って思いましたね。だからあの映画作ったやつはホントによくやったと思います。生きてる間にやりたい、まあ、いつ死ぬかなんてわからないけど。だってあんなに早く死ぬなんて思わなかったじゃないですか、実際。だからよかったと思う。どんな形でも世の中に残すことがすごく大事だと思うんですよね。

●メンバー3人が50代で死んじゃってるけど、偶然だったと思いますか?

── いやー、考えたことない。

●映画のちょうど試写会やってるときにジョニーが死んじゃったんだけど、ジョーイが死んじゃったよっていうのは、そりゃ大ショックでビックリするじゃん。次、ディー・ディーも死んで、ジョニーも?って感じ。

── なんかね、どっちかって言うと、ジョーイが死んだ方が凄いショックだった。すごいビックリしたもん、ホントに。アルバムのレコーディングしてるなんて話を薄々聞いたりとかしてて、いきなり死んじゃって凄いショックで、「ラモーンズも死ぬんだな」って。。子供みたいな言い方だけど、そう実感しちゃって、「あー、やっぱり死ぬんだな」って思った時に、ジョニーが病気で頑張ってるよみたいなのは、前から聴いてたからジョニーの時は、「死んじゃったんだ、残念だな」という気持ちはあったけど、ジョーイほどショックじゃなかった。やっぱジョニーがラモーンズだと思ったけど、でもジョーイはラモーンズのシンボルみたいなところがあるじゃないですか、どこかで。そういう意味でジョーイがいなくなったのが一番ショック。ディー・ディーはもう仕方ない。逆に、長生きしたと思う。ディー・ディーはそれが生き様だと思うし、逆に余計にお金もらった(笑)というか、余計に生きたみたいなところも何となくあるよね。

●自分がラモーンズのために何かミュージアムでも何でもいいけど、将来したいことというか、仕事を含めやりたいこととか、これを読んでる会員に向かって、何か実践してることとかがあれば・・・

── 基本的に仕事で何かやろうという気は全くないというか・・・そういうラモーンズのことを知りたい子とかいっぱいいると思うんで、ロンドン・ナイトみたいなクラブのイベントはやってるから、そこに来た時にラモーンズの話ぐらいはしたいなと思う。

●「ラモーンズについて教えてください」って質問されたりすることはあるの?

── たまにある。そういう子がいるんだったら、そういう話をしたいし。きっかけがあればラジオでもクラブでもいいんだけど、そういう時に何かいろいろ話をしたいっていうのはある。だから自分・・・できることって何っていわれたら、何かわかんないっつうか(笑)

●私からすると・・・これだけ、私もそうだけど、「ラモーンズFCをやってまーす」って皆知ってるし、Katchin'も「ラモーンズ好きです」ってやってるから、デカイ何かやっちゃえばいいのにって思うんだよね。ロンドン・ナイトじゃなきゃ、ラモーンズ・ナイトを一年に一回は必ずチッタでやるみたいな、そういうの。で、必ずバンドも呼んで完コピで演れみたいな、革ジャン着てバンドやれみたいな、とか、Katchin'ナイトみたいのがそろそろあってもいいのかなとか思っちゃう。

── なるほど。

●ロンドン・ナイトに来る子たちって「Katchin'=ラモーンズ」ってわかってるの?

── いや、わかんないな。いや、五分五分じゃないですかね。

●もう違うんじゃない? もう少し前だったら違うかも知れないけど、いまだってファットボーイとかかけてるから、そうじゃないと思ってるかも知れないけど、それはそれで仕事にするつもりがないって今言っていたからね。私はDJの仕事じゃないから、自分のできることって決まってくると思うんだよ。でもKatchin'とかはそっちでなんかもっとやればいいのにって思う。提案しましたー(笑)。

── うん。なんかね、中途半端なバンドを出したくないみたいな・・・。

●だから、○○プレゼンツKatchin'ナイトをやる。それはコアなイベントで、リアル・ラモーンズ・ファンだけのイベント。しかもCJのバンドを呼ぶとか、そのぐらいコトを大きくしてやったり。そういうイベント。出るバンドのオーディションしてもいい。そういうのは企画して全然やってもいいんじゃない?と思っちゃう。

── うん・・・やれって言ってるんですか?(笑)

●うん。言ってる(笑)。

── (爆笑)。ホントに、せっかくだったら、生きてる人たち呼びたいじゃないですか。うーん・・・そういうのは、確かに言われたらYUKIさんとかいるから、あいつら呼ぼうと思ったら、「ちょっとひと声かけてくださいよ」って感じでできそうな気もしますけど、やっぱ具体的に考えたことないっすね。

●やっぱ仕事とは切り離されてるから?

── 俺が行きたいぐらいなんですけどね、そのイベントに(笑)。

●ところで、今、残ってるメンバーにはどういう活動をしてもらいたいですか?

── いや、別に勝手にやってくれりゃーいいんじゃないですか。でも、変なバンドはやめてほしいですよね。バンドやるなら、自分のちゃんとしたバンドをやってほしい。でも辞めても別に文句はない。DVDとかであざとく儲けないで、みたいな。

●こないだのマーキー・ラモーンの来日は行かなかったの?

── あー、行かなかったんだよね。

●ミスフィッツは幻滅したんだよね?

── ミスフィッツでもう二度と行くかって。俺、ラモーンズとかパンクの関連で途中で帰ったのはあれが初めてですよ。一番最初のミスフィッツ来日公演で、“withマーキー・ラモーン”みたいなこと書いてあって、俺、ミスフィッツのフロントがちゃんといると思って行ったんすよ。で、ドラムがマーキーだと思ってたら、「何なんだよ、これ。パンク学芸会みたいなことやめてくれよ」みたいな。「確かにオマエラそうかも知れないけど、そんなことで営業回るのやめてくれよ」って。うん。で、ホントに、途中でイヤになると「イハラさん、俺、先に帰りますよ」っつって・・・うん。

●なるほどね。日本のラモーンズ・ファン・・・Katchin'以外に、周りで一人「こいつもラモーンズ・ファンだぜ」って思いつくのは誰?

── いや、いないっすね。いない!

●まだファン1〜2年目だけど、すげーアイツはラモーンズの良さをわかってるなみたいな。

── いや、いないいない、いない、そんな人。

●えー、悲しい返事。ラモーンズ仲間みたいなのいないの?

── ラモーンズ仲間いないね。ヒカルさんとかはもちろん好きだけど、あの人はパンク全部が好きっしょ。で、特にピストルズとジェネレーションXっていうのがあるし、だから話してわかってくれるのはそのへんじゃないですか。

●見つけようとかもなく?

── いや、いなんですよ、だから。

●逆に敷居が高すぎて話ができないんだよ、Katchin'と。

── いや、そんなことないと思いますよ。

●むしろアピールしといた方がいいよ。「ラモーンズどう? 俺に何でも聞いてくれ」って。

── いや、だから、もっと気合い入れればいいわけじゃないですか、そんなに好きだったら。

●ほらね(笑)。「俺を超えてみろ」くらい?(笑)。

── だから、なんつうか・・・もうねぇ・・・

●DJのロンドン・ナイトや夜ラジオやってるときに来た人に、「俺も好きなんですよ」って言う人いないの?

── いないもん。番組でゲスト呼ぶじゃないですか。そしたら、何曲か自分の好きな曲を持ってこさせるんですよ。ラモーンズ持って来たヤツいないっすよ。

●私、あえてアルバムを持ってなくても、「好きだったら好きでいいんじゃない?」って言ってる。敷居をガーっと低くして。一年目のファンでもいいんじゃないの、全然。一年目でも二十年くらい年季が入ったファンでも、ファンはファンだから一緒って。そういう風に言うと、話しやすいし。

── 俺は、熱意があればいいと思うんですよ。どれだけ好きかっていうのを自分勝手に言うんでももいいと思うよ。ただ、ラモーンズを好きだっていって、他のバンドと同じくらいみたいな、そういうのはいっぱいいるの。そう言う人は、もう軽くしか。だからスゲー好きだなんて言ってきたヤツはいないですからね。

●いや、いるよ。喋れないだけだよ。

── (笑)。これを読んだら、言ってくれればいいじゃんみたいな(笑)。

●さっきのKatchin'ナイトじゃないけど、年に一回やれじゃないけど、そういうところに集まって来ないかな、そういう隠れファンみたいなの。

── あー、そうなれば集まりそうな気がしますけどね。

●映画とこないだの写真展で隠れファンがドサドサ出てきたからさ。

── 本当?

●だからそれはそれで楽しいよ。「YUKIさん程じゃないですけど」って。だから言ってるの、一年目でも二十年目でもファンはファン。そうするとバーって話し出して、結構ちゃんと話すのよ、深く、自分のラモーンズ論みたいなのを。それ面白いのよ、話してると。だからまだ、きっといっぱい隠れてるのがいるんだろうなって思って。で、そいつはもしかしたら同じくらいジェネレーションXについても話せるかも知れない。だけどそれでもいい。次、メンバー一人一人をひとことで言ってみてください。

── (困りながら)ジョーイ・・・(笑)・・・ジョーイは・・・歌声。(考え込む)ジョニーは・・・うーん、何だろうね、鬼軍曹っつうか、まぁ、リーダー。そういうイメージじゃないですかね。やっぱジョニーはラモーンズじゃないですかね。彼がラモーンズなんじゃないですかね。CJは、若者。アイツが入ったとき凄い若かったじゃないですか。だから若者って感じがする。えーと、マーキーはねぇ、ヅラ。ディー・ディーはパンクス。トミー・・・何かチビ? リッチー・・・何かねぇ、何んだろうなぁ・・・華奢っつうか、髪型がパンクっぽくなかった、昔。革ジャンがテロテロ・・・え? リッチー? 何だろう・・・映画の印象はただのサラリーマンだったんだけど・・・ラモーンっぽくなかったんですよ。●じゃあ異端児にしておこうか?

── なんか・・・ヨソの子・・・何か溶け込めなかった・・・。

●OK、ラモーンズの魅力をひとことで言うと?

── ・・・・・(しばらく無言)ひとことが一番難しいなぁ。

●そうよねぇ。じゃあねぇ、自分にとってラモーンズとは?

── ・・・また難しいなぁ・・でもラモーンズがやっぱり俺の音楽の全てだと思うんですよね。で、やっぱラモーンズから学んだことっていうのは「継続」。

●じゃあ、もしラモーンズが存在してなかったら?

── たぶんね、ここにはいませんね。当然ね。

●(笑)。ピストルズがあっても? 他の音楽を聴いてても?

── ピストルズがあっても、ここまで音楽に深く入ってなかったと思う。彼らはやっぱりルーツを大事にしてて、自分のスタイルも曲げなかったっていうのが・・・だからある意味、人の生き方のひとつのお手本みたいな。そういう風に感じましたね。そこが一番大きい。音楽が良くて、初めてそういう姿勢が見えるっていうのはあると思うんですよ。

●FCの活動にリクエストはありますか?

── 観たことない写真をいっぱい出してほしいっすね。画像を持って行かれないためには気合い入れてHP作ればいい! 自分のHPは、素人じゃ画像も音も抜けないようになってる。

●はーい。写真は死ぬまでに出そうと、後世に残さなければいけないと思ってます。

── 写真集みたいなのできないんですか? プチ写真集。FCだけにフリーペーパー程度の・・・

●それじゃ勿体無いからやりたくないんだよねぇ。やるならちゃんと一生取っておきますぐらいな。

── それの集大成は、後々ちゃんと出版して、FC用に、「ほら、こんな写真があるんだよ」みたいな。

●はい。やりますよ。

── 解説つけてね。

●ところで、ラモーンズ・ライヴは体験してるよね? 自分が観たラモーンズのライヴの様子を教えて。

── チッタ。あそこは、とにかくもうそんなにラモーンズ好きな人がいるのってくらい人がやっぱいっぱいいて、しかもみんなスゲー元気だった。「オマエラ、どこにいたんだよ」みたいな。そのぐらい人がたくさん集まって、みんなそこにチッタ1,000人ちょっとがラモーンズに向かっていってるみたいな。あっちはあっちでもう止まらないでプレイしてて、こっちもこっちで休む暇もないみたいな。それでそれが最初から最後まで。ホントに彼らがチューニングも一回くらいしかしなかったり、止まって喋るのもホントにもう数回・・・5回はない。そこしか俺たち休む場所がない、みたいな。で、ラモーンズと一緒に70数分、30何曲を突っ走るみたいな。それでダイブとかできたんだけど、やっぱ彼らのステージにはあがっちゃいけないから、ステージと客の隙間に落ちたらセキュリティにチッタの横に連れて行かれて、外に一回出されて、入り口からもう一回入れられるの。そうするとそこにまた入れるの。入るたびに東芝の野津さんに挨拶してもう一回入って、それを何度か繰り返すみたいな(笑)。で、慣れてくると、チッタで6連チャンくらいやったときは、今日は観ようって後ろの方でずっと観たりとか、今日はジョニー側から飛ぼう、CJ側から飛ぼうみたいな。ホントに毎日やってるから毎日行ってるといろんな楽しみ方ができるし、やっぱりなんかラモーンズのライヴで暴れたいっていうのはスゲーあるけど、ちゃんと聴きたいってのもどっかである。全部聴きたいみたいな。

●あったねぇ、あったねぇ。

── で、最後の「続・夕陽のガンマン」のエンディング・テーマまで全部聴いてから帰るみたいな。

●わかる、わかる。

── 人がいなくなっても全てそこで流れてる音楽を・・・要するにラモーンズが終わるのは最後のテーマまでがライヴだ、みたいな。それを聞くまでは帰れない。で、始まる前のSEも、ラモーンズに関連のあるバンドばっかりが一応流れてた気がする。L7やらモーターヘッドも流れてたりして、そういうのが好きな軍団みたいなのがチラッて見えたりするの。ちょっと騒いだりするから、「あ、アイツらモーターヘッド関連でラモーンズか」って。例えば他のパンクでワッとなったら、「あ、あのへんはそういう感じなんだ」みたいなのをチラチラ見つつ、「続・夕陽のガンマン」が流れた瞬間に皆が一緒になる、「おー!」って。ヘイ・ホー・レッツ・ゴーを叫んだりとか、そういうなんかやっぱりお馴染みなことをこっちも求めてて、あっち(バンド)もスタイル変える気もサラサラないしっていうそれを楽しみに行くみたいな。結局、なんか同じでよかったと思うんですよね。逆にね、「スパイダーマン」とかやってたじゃないですか、「この曲何?」って感じになってた隙をついて・・・皆がひるんだ隙に前まで行くとかね。

●(爆笑)。そんな楽しみ方! でもわかる、わかる。わー!ってなってるのに、「この曲何?ん?」って知らない曲っぽい反応の人いるよね。

── そう。「スパイダーマン」はリリースなかったじゃないですか。で、「あっ」と思った瞬間に客が一瞬引くからその隙に前にダーッて行くんですよ。そん時に前にダーッて行けると凄い楽なの。

●(爆笑)。

── それでもう一回ダイブして、後ろに戻ってきて、また隙をどこかで見つけるみたいな。俺ひとりでもそれですからね。うん。芝のメルパルクホールとか初めて行った時もあったし、浅草とかね。逆にイスがあるところでラモーンズを観る違和感も面白いし、やっぱラモーンズのライヴっていったらチッタですよ。

●確かにあんなに一体感のライヴってないよね? いくら好きで楽しみにライヴに行っても、始まったと同時に客全部の一体感ってあるじゃん。それでガー!っていく。しかも最後のSEが終わるまでっていうのもよくわかる。フツー終わったらシラフに戻れるじゃん。だけどまだ終わってないっていうかさ・・・。

── 終わってない。終わってないですよ。

●それ分かる。ひるんだ隙に前に行くって凄いリアル(笑)。

── (笑)。

●面白いね、チッタの横で外に一回出されて表から入ってきたなんて知らなかったね。

── あの時、すげー客がいっぱい入ってたから、そうしたんでしょうね。走って戻ってくる。チッタの周りを走る! 駐車場のところ走って入り口に戻るの(笑)。

●全力で走らないと曲が終わっちゃうからね。

── ライヴの時は、曲が1分半くらいで終わっちゃう。急いで戻ってこないといけないから!(笑)

●面白い! いい話! マニアからのリアル話は面白い。今日はどうもありがとう!

★★

インタビュー / FCスタッフ(カイチョーユキ & atsuko katagiri)
取材場所 / 東京渋谷のカフェにて
 

テキスト及び写真 : 畔柳ユキ / Ramones Fan Club Japan (c)RAMONES FAN CLUB JAPAN
ALL TEXT & Photos by (c)yuki kuroyanagi & (c)RAMONES FAN CLUB JAPAN

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