2017年⭐︎夏~秋
福岡公演は22年ぶり。「ファンクラブのショウは福岡でやることに決めた」とCJにメールすると「福岡のことは覚えている」と言う。(本当に? )と疑ってたけど、福岡のホテルに到着した時きょろきょろと周辺を見渡して「この街でスニーカーを買った。間違いない」と言った。1995年のことを思い出したみたい。この話と続きはのちほどたくさん書くつもり。

来日する前に、ファン・クラブで今回来日する他のメンバーのことをちゃんと紹介したかったのに、向こうもツアーが始まっちゃって忙しくなったのか返事が来ない。福岡から成田への国内線を手配するために「パスポートの名前が必要なんだけど~。飛行機のチケット売り切れるよ」とマネージャーをせきたてるとやっとメンバー名が到着。でもドラマーのピートがストリート・ドッグスのメンバーだっていうこと以外、誰なのかさっぱりわからず…時間だけは過ぎて行った。

来日メンバーくらい先に知ってたいって思うけど、先にお膳立てすることをアメリカ人て、たぶんあまり気にしていないのかも。スタートしたら次の街、次の街って移動してライヴやるだけだっていう感覚なんだろうなと思う。ラモーンズのツアーのことを考えるとメンバーはきっとそんな感じだ。できたツアマネのモンテがいたし。

新作『American Beauty』はポップでいい曲が詰まってた。CJ、いい曲書くようになったなぁなんて上から目線( ? )に聞こえるかもしれないけど、ラモーンズをまっすぐ継承している作品を書いていると思う。ほぼ一人で曲を書いているわけだし。トム・ウェイツの曲をカバーするところはジョーイゆずりというかね。日本盤はリリースされないご時世だけど、ラモーンズ・ファンにはダウンロードじゃなくてCDとかLPの方が喜ばれると思うんだけど、この考えはもう古いのかな?





『American Beauty』のことを少し書くと、ラモーンズ・フレーバーが継承されているのは、レコーディングに参加しているメンバーが、ラモーンズを聴いてきたミュージシャンだからだと思う。惰性でエイトビートをやらされているんじゃなくて、各々が消化したラモーンズのサウンドをちゃんとCJの表現に合わせて出している感じ。ジョーイのソロの続きみたいだなと思うのは私だけでもいいんだけど、親戚っぽいフレーズ( ? )があるなぁと時々思うんです(笑)。

ラモーンズ好きのバンドたちが作る曲は、むしろもっとストレートにラモーンズに近づくけど、CJやジョーイのソロって肩の力を抜いているというか。その中に抜群のラモーンズのポップさがエッセンスとして降りかかっている感じ。抽象的ですみません。。。とにかく ! 『American Beauty』がいい曲だらけの作品だったから、私個人はこの来日公演は1995年のラスト・ツアー曲との前回みたいな前半・後半みたいなセットリストになればいいなと楽しみだった。





来日直前に動画メッセージも届いたのでHPやSNSにアップ。最近はSNSがあるから、インスタで「NYの空港にいる」写真がアップされるとエキサイトするね。ネットのない時代のただひたすら待つことも渇望感が湧いて、そして会えた時に「久しぶり」っていう感じもいいんだけど、SNSはワクワクする感じがストレートに伝わってくる。私はジョニーからの手紙で乗る飛行機の便名まで教えてもらえていたけれど、ファンは(もう来日したのかな)と、待つしかなくてやきもきしていただろう。ラモーンズの来日を待っていた時代は、カレンダー(紙の)を毎日眺めていたな。カレンダーの数字が心理と時間を刻んでた。

CJたちは、アメリカン航空で28日(土)に来日することになっていた。その3日前に「もう直ぐだね」とメールすると「明日からカリフォルニアに行く」と書いてあってビビる。念のため「日本にはLAから来るの?」と聞くと「NY」と言うし…時差があるアメリカでまた東に戻る? 何でもいいからちゃんと来日してくれよぉ~とヒヤヒヤしたけど、10月28日(土)の午後、無事に成田空港に到着しました。





10月29日(日)⭐
私はライヴの撮影があったのでその日は会えず、翌日、どこであったかというと井の頭線の吉祥寺駅の改札。CJ はさすがに順応が早くて、一度行った場所をよく覚えている。だから日本人みたいに「改札で会おう」ってことになった。JR三鷹駅から徒歩15分くらいの場所に引っ越したモズライト・ギターのフィルモアへ行くために。来日の度にCJはここに必ず顔を出す。日本でベースが盗まれた「一番大変な日」にフィルモアの遊佐社長にお世話になったから。ここで人様のブルーのモズライトと出会ってしまう。それでライヴで使いたくなっちゃって、東京~大阪までブルーをお借りできることになったのです。





今回のメンバーは東海岸メリーランドのザ・ハンティントンズの現ギターのジョシュ、ドラマーがストリート・ドッグスのピート、もう一人のギターは20歳のネイサンというメンバーでした。3人とも休日は読書でもしていそうな静かなタイプだった。初日だから猫かぶっていたのかもだけど。雇われているメンバーが別にペコペコしているわけじゃないんだが、自分の立ち位置と動き方をわきまえているというか、黙々と仕事をしていた。もちろんCJ なので、彼らに対して偉そうな態度なんてしていないけど、上下関係があって軍隊みたいだなと思う。





3人とも初来日。20歳のネイサンに対してだけは、自分の息子と同じ年だからいろんなルールを教えていた。私は1990年に、CJ の初来日の様子も見てきたから、3人に電車の切符の買い方や、自販機で缶ジュースを買う操作を教えているのを見ると何だか微笑ましかった。初めて見るあれこれに感動している3人にほんの少しだけドヤ顔の先輩って感じだったから(笑) そしてギターのふたりは2016年に聖地巡礼ツアーに行った時にNYで見たCJバンドのメンバーと同じだったということにやっと気がつく。ツアーに出るのはアドレセンツのメンバーと思っていたので、NY公演のメンバーはこの時かぎりだと思っていて、正直あまり印象に残っていなかったのだ。<続く>



2018.03.19


テキスト&写真 : 畔柳ユキ / Ramones Fan Club Japan ©RAMONES FAN CLUB JAPAN
取材協力 : もにゃこ(RAMONES FAN CLUB JAPAN)
デザイン : ヤーボ・ラモーン(東京ラモーンズ)

記事及び写真の無断転載を固くお断りいたします。

 





 



ALL ABOUT FAN CLUB

I'M RAMONES MANIA

JAPAN TOUR ARCHIVE

FAN ZINE
NEWS & BLOG

JOIN & CONTACT

LOCO TIMES

ONLINE STORE





Representative by YUKI KUROYANAGI.
Editorial staff & operation : SHIN. monyako. k.kitahara. t.nemoto.
Art work by YARBO RAMONE.
©Ramones Fan Club Japan. All Rights Reserved.